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同性同士のスキンシップが清々しく新鮮…ネトフリ『ボーイフレンド』から考える男性の孤独問題

エンタメNEXT / 2024年8月17日 11時30分

同性同士のスキンシップが清々しく新鮮…ネトフリ『ボーイフレンド』から考える男性の孤独問題

Netflixシリーズ『ボーイフレンド』独占配信中

7月9日からNetflixで配信された日本初となる男性同士の恋愛リアリティ番組『ボーイフレンド』。海の近くに構えるビーチハウス「Green Room」を訪れた恋愛対象が男性の9人のBoysが、ひと夏の共同生活を通じて本気の恋を探していく姿を描いている。これまで恋愛リアリティ番組はいくつも配信・放送されてきたが、本作はひときわ話題を集めている。その要因として登場人物全員の人間性はもちろん、Boys同士の接し方が魅力的だったことが反響につながっているように思う。

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 Boys達は何かすれ違いがあっても、責めるような言葉や態度は見せない。人に寄り添うその姿勢に何度も胸を打たれる。ただ、接し方においてとりわけ目を引いたことは2つある。1つ目はBoys達がお互いによく褒め合うことだ。それも“おべっか”ではなく良いと思ったことをそのまま口にしている印象。もう1つはスキンシップの多さ。Boys達はいろいろな瞬間に気軽にハグをする。決して進展がある組み合わせではない2人が、密着してリビングでくつろぐシーンも珍しくない。女性同士が職場や教室内でお互いに「可愛い」「素敵」と褒め合う光景は日常茶飯事。久しぶりの再会なのか、その喜びを表す手段として女性同士がハグをするシーンも駅前などで度々見かける。しかし、男性同士ではそれらはほぼ皆無。だからこそ、Boys達が何気なく褒め合ったり、スキンシップしたりしている姿はとても新鮮に映った。
 
 ではなぜ男性同士はそういったアクションが見られないのか。それは“距離が近い男性同士”は同性愛者とからかわれやすいからではないか。筆者も小学校時代にクラスメイトの男子と2人で遊んでいると「ホモなの?」と“ノリ”で言われたことがある。当時は自己保身に囚われ、反論する勇気を持ち合わせておらず、それ以降はそのクラスメイトとは若干距離を取るようになった。そういった経験をしたことのある男性は筆者に限らないはずだ。こういった空気感が根強いため、男性は男性と親密になることを避け、一定の距離を保ったり、何なら意味もなく敵対心をむき出しにしたりすることを“普通”、言い換えれば“男らしい”と捉えるようになったと思う。



日常的に褒め合い、スキンシップをしているからこそ、誰かが「Green Room」を去る瞬間にあれだけ涙を流すことができ、パーソナルな部分も口にすることができる関係性をBoys達は短期間で構築することを可能にしたのだろう。裏を返せば、褒め合ったりスキンシップしたりなどのハードルが高い現状を改めなければ、男性の孤独感は加速しかねない。

実際、内閣官房孤独・孤立対策担当室が今年3月に発表した「人々のつながりに関する基礎調査(令和5年)」によると、孤独感に関する間接質問において、男性は「常にある」(7.5%)、「時々ある」(41.6%)と計49.1%だった。一方、女性は「常にある」(6.2%)、「時々ある」(38.6%)と計44.8%。女性は男性よりも孤独感を覚える傾向が高い。

 また、NetflixのYouTubeアカウントでは、未公開映像としてBoysがセクシャリティについて語る動画が多く投稿されている。「傷つけられた一言」という動画では、「電車乗ってた時に(ゲイの)男友達と一緒にいて、おじさんが『お前気持ち悪い、ゲイだろ』みたいな感じの時ある」「屈辱だった結構」とアランが日常生活でゲイであることをからかわれた経験を口にしており、他のBoys達も苦々しい過去を話していた。『ボーイフレンド』を通して、セクシャルマイノリティの生き辛さを知ることができる。それと同時に、現実社会において男性同士のコミュニケーションの在り方についてもいろいろ考えたくなった。



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