1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

『海のはじまり』第8話 2人の心の距離を表現した繊細な演出にも注目

エンタメNEXT / 2024年8月22日 20時4分

『海のはじまり』第8話 2人の心の距離を表現した繊細な演出にも注目

『海のはじまり』公式HPより

Snow Manの目黒蓮が主演を務めるTVドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系)の第8話が、8月19日に放送された。今回のエピソードは、水季(古川琴音)の姿を嬉しそうに夏(目黒蓮)がカメラで収める、かつての幸せな二人の姿から幕を開ける。そして今回の第8話では、このフィルムカメラが重要なキーアイテムとなる。(以下、ドラマのネタバレを含みます)

【関連写真】ドラマ『海のはじまり』より夏(目黒蓮)&海(泉谷星奈)

海(泉谷星奈)の父親になる決心をした夏は、疎遠だった父親の基春(田中哲司)を喫茶店に呼び出し、海に会わせる。父親役を演じるのは、名バイプレイヤーの田中哲司。水季が暮らしていたアパートの大家さんが岩松了だったり、写真屋の店主が山崎樹範だったり、やはりこのドラマは起用する俳優が演技派ばかりだ。

だが父子の久々の対面は、感動の再会とはならなかった。それどころか、海に「変な名前」と言い放ったり、「海が夏の本当の娘かどうかなんて分からない」と暴言をカマしたりして、椅子を蹴飛ばすくらいに夏をキレさせてしまう。そればかりか、父親から譲り受けたフィルムカメラを大切に持ち続けてきた夏に、「カメラは趣味じゃない」と言い放つ。父親になる決心をした夏にとって、目の前にいる基春は、“あるべき父親像”からあまりにもかけ離れた人物だった。

夏はいたたまれなくなり、喫茶店を飛び出す。やがて行きつけの写真屋に行くと、基春が息子と再会してから毎日ここに通いつめていることを聞かされる。意を決して、再び基春と会うことにする夏。この2度目の再会で、彼は意外な言葉を父親から聞くことになる。

「面白がるだけなら趣味。楽しみたいときに楽しむだけなら趣味。あなたは子供を、釣りや競馬と同じだと思っている」

それは、かつての妻・ゆき子(西田尚美)から言われた言葉だった。子育てというハードワークを、基春はただ面白がることしかできなかった。その強烈な悔恨が、「カメラは趣味じゃない」という発言に繋がったのだろう。自分は父親失格と思っている基春だが、それでも久々にフィルムカメラを手にして、ファインダー越しに息子を見つめる姿は、間違いなく父親そのものだった。



基春が心のうちを吐露した瞬間、夏との距離感も縮まっていく。それを見事に映像化した演出が素晴らしい。カメラは、上手(右側)に向かって歩いていく基春と、下手(左側)からそれに付いていく夏を捉えている。そして次第に夏が基春との距離を縮めて、下手に大きなスペースができるような映像設計を施しているのだ。父子の心の距離を、横に広がる空間を有効活用して描いているのだ。

縦の空間を使って二人の心の距離を表したシーンもある。スーパーで夏と弥生(有村架純)が買い物をしている場面。

「子供の好きなものがいいよね」
「でも、好き嫌いがほとんどないんだよ。偉いよね」
「水季さんがちゃんと食べさせてたんだね」

弥生にとって「子供の好きなものがいいよね」という発言は、海の母親になる意思を改めて表明したものだったはず。だが会話は微妙にずれていき、夏の元カノの話に帰着してしまう。そんなちょっとした心のズレ、心の距離感を、「カメラ手前に向かって進んでいく夏と、その場に立ち尽くす弥生」という、縦の空間を使った演出によって描いている。

精密な演出で描かれる、父親と息子の距離、恋人同士の距離。『海のはじまり』は、シナリオの見事さもさることながら、繊細な演出にも注目すべきドラマだ。

【あわせて読む】ドラマファン待望の『海のはじまり』がスタート、目が離せない目黒蓮の「選択」


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください