“地雷系の最終兵器”ならく様のアイドル哲学「よく言われるのは、リストカットの跡あるんでしょ?」
エンタメNEXT / 2024年11月3日 6時0分
ならく様(@0v0_naraku) 撮影/松山勇樹
移り変わりの激しいアイドルシーンに新たなカリスマが誕生しつつある。“地雷系の最終兵器”とも呼ばれる「ならく様」は、シュレーディンガーの犬(シュレ犬)の人気メンバー。共演した他グループのメンバーにも信奉者は多く、SNSのフォロワー数もうなぎ登りとなっている。独自のファッション美学、意表をつく言動、切れ味鋭いダンス……底知れぬ魅力に肉薄した。
【写真】華奢な身体、リップピアス&タトゥー、ならく様 撮りおろしカット【6点】
「よく言われるのは、“リストカットの跡あるんでしょ? 手首見せてよ”というパターン。失礼しちゃいますよね」
インタビュー場所に現れたならく様は、そう語ると屈託なく笑った。
凛とした美しい顔立ち。折れそうなほどに華奢な身体。リップピアスと刻まれたタトゥー。病み系メイクに地雷系ファッション……傍目からはトー横キッズのように見えるかもしれない。だが、実際は仲間に対する熱い想いを抱えた女傑。ベースにあるのは根性論だ。背筋をビシッと伸ばしながら前を向いて話す様子は、たしかに世代を超えたクールネスが感じられる。
「“様”の由来ですか? これは自分で名乗り出したんじゃなくて、ダンスの先生が呼び始めたんですよ。しゃべり方とか雰囲気が偉そうに映ったのかな。実際、初対面の人からは怖がられることが多いですし。自分的には不本意なんですけど(笑)。
“ならく”という名前は自分で考えました。グループ結成のとき、ひらがなでインパクトのある名前で全員いこうという話になったんですね。自分は中二病なので、悪魔っぽくて癖のある名前をいくつも出したんですけど、ほとんどすべて却下。その中では“ならく”というのがマシだろうということで決まったんです」
現在、所属グループ「シュレーディンガーの犬」は6人で構成されているが、ならく様は唯一のオリジナルメンバー。そのこともあって、他のメンバーから圧倒的に慕われている。イベント終了後、「ラーメンでも食べに行こうか」と周囲に声をかけ、手際よくスマホで店を検索するキャプテンシーは“男前”というほかはない。
「正直、愛想はよくないほうかもしれません。アイドルっぽくキャピキャピできるタイプでもないですしね。ただ、挨拶だけは絶対きちんとしようと決めているんですよ。それは仕事をするうえでの基本じゃないですか。体育会系の厳しい部活に入っていた時期があるので、そのへんはしっかり叩き込まれたんです」
メンタルの強さには自信がある。「どんなことがあっても、へこたれない」というのを自身のポリシーにしているという。
「たとえばグループ全体で“しんどいな……”って落ち込むことがあるとするじゃないですか。そういうときは“もう頑張れない”とかネガティブな言葉は禁句。むしろ“よし、頑張る!”って口にして、無理矢理にでも自分を奮い立たせるんです。頑張るって最初から自分で決めちゃう。要は一種の思い込みですよね。こんな調子でいつも周りを励ましているから、メンバーからは“心にならく様を飼うようにするね”とか言われています(笑)。やっぱりみんなの前ではカッコいい自分でいたんですよ。“様”もついている以上、やりきらなきゃという気持ちがあって」
メンヘラ系のビジュアルながら、口から飛び出すのはポジティブな言葉ばかり。では逆に、その独特のファッションセンスはどこから来るものなのか?
「“アイドルなのにタトゥーってどうなの?”みたいな価値観の人も日本だといると思うんです。それは自分たちがロック系のグループだからこそ許されている部分もあるかもだけど、いろんな意味でアイドルの可能性を広げていきたいんですよね。“こういう子もいるんだよ”というところをアピールしていきたくて。
ファッション的に一番ハマっているのはパンク系。あとはグランジ系。どっちみちロックっぽい服ってことになりますかね。パンクって基本的に露出が多いんですよ。もう絶対的なミニスカートか、超ミニの短パンみたいなものが多くて。Instagramを更新するときは、とにかくもう可愛い服をひたすら着て撮るって感じです」
SNSは現代アイドルの必須科目。現在、ならく様はXのアカウント2つとInstagramを稼働させている。一応、TikTokのアカウントも持っているが、「今はあまり使っていない」とのことだ。
「Xの本垢はグループの告知情報が中心。一方のサブ垢は日常のポスト。サブ垢はファンの人が自分のことを身近に感じれるように交流の場にしています。たとえばオフショットを上げたり、リプ返したりして。Instagramはアイドルオタクじゃなく、一般層向けに使っていますね。自分は洋服が好きでこだわりもあるから、そういうファッション的な写真が中心かな。ブランド名をタグ付けすると、アイドルに興味がない人も見てくれるんです。実際、そういうところから現場に来てくれることも結構ありますし」
Instagramのフォロワー数が増えるにつれ、海外からの書き込みも増えてきた。最近、台湾でライブをやった際は、その熱狂ぶりに圧倒されたという。
「スマホの画面だけだと、“本当にこの人たち存在しているのかな?”って半信半疑な部分もあったんです。いまいち現実味が沸かないと言いますか。だけどリアルに世界から見られているってことがわかったから、今後はもっと海外に向けても発信していきたいなと考えています。ハッシュタグもいろんな言語で書いたりしたりして」
ビジュアルやファッションだけでなく、キレッキレのダンスもならく様の強みだ。同業者にもファンが多いのは、本格派のパフォーマンスがあるからこそだろう。
「小さい頃からスクールでダンスを習っていたとか、そういうわけではないんです。せいぜい学校の授業でやる程度でした。前にいたグループもガンガン激しく踊る感じはなかったから、そこまでダンスのことは意識していなかったですしね。シュレ犬に入ってからですよ、パフォーマンスを評価してもらえるようになったのは。ファンの人に“上手だね”とか褒められると、自分は調子に乗るから徐々に“ダンス好きかも”となっていきました」
そんなならく様の特技は「柔道の受け身」。アイドルとしては、いささか変わっている気もするが……。
「高校のときに柔道をやってる友達がいて、その子とふざけてやっているうちに受け身を取るのが癖になっちゃった(笑)。昔からマット運動とかが好きなんですよね。ハンドスプリングとかも自然とできるようになりましたし。たぶんダンスが得意なのも、そのあたりから来ているんじゃないかな」
記事後編では話題のならく様が自身のキャリアを総括しつつ、今後のビジョンについても熱く語る!
【後編はこちらから】“見た目は地雷系、中身は熱血”次世代カリスマアイドルは彼女だ!シュレ犬・ならく様の数奇な半生
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