“見た目は地雷系、中身は熱血”次世代カリスマアイドルは彼女だ!シュレ犬・ならく様の数奇な半生
エンタメNEXT / 2024年11月3日 6時1分
ならく様(@0v0_naraku) 撮影/松山勇樹
地雷系アイドルの最終兵器──。そう称されることも多い「ならく様」が、各方面から注目を集めている。凛とした美しい顔立ち、リップピアスと刻まれたタトゥー、切れ味鋭いダンスなどによって同性や海外からの支持も急伸。SNSでも話題の彼女は、一体、何者なのか? そのミステリアスな素顔に密着した!
【写真】華奢な身体、リップピアス&タトゥー、ならく様 撮りおろしカット【6点】
ならく様は「シュレーディンガーの犬(シュレ犬)」の人気メンバーだ。しかし、ここに至るまでは様々なドラマがあった。出身は東京都。快活な少女だったが、特に芸能志望というわけでもなかったという。
「自分は普通の全日制の都立高校に通っていたんですけど、どういうわけか周りのイツメンの中で一般人が私だけだったんですよ。全員がアイドルだったりとか、舞台をやったりとか、なにかしら芸能っぽいことに関わっていたんですね。ついでに言うと当時はバンドに熱中していたんですけど、ボーカルの子もシンガーソングライターになるんだと言い出したりして。単純にそういうのがうらやましかったんでしょうね。自分も若いうちにできることをしようと思って、それでアイドルのオーディションを受けたんです」
話は小学校時代にさかのぼる。これだけのビジュアルの持ち主だから、街でスカウトされることも当然のようにあった。しかし、自分が芸能界でやっていけるとは到底思えなかったという。
「自分よりも弟のほうがスカウトされることが多かったんです。弟はタレント性が半端じゃなかったので。本当に “可愛い可愛い”って言われ続けて、何社からも声がかかって……。それも大手ばかり。自分としては子供ながらに『芸能人になるのは私みたいな人間ではない。弟みたいなタイプだ』って決めつけていました。だからテレビでAKB48を観て可愛いなと思うことはあっても、自分が同じようなことをやるという未来図は頭になかったです。ちなみに今の弟は陰キャ丸出しなんですけど(笑)」
学生時代のならく様は「めちゃくちゃイキっていた」そうだ。ダークなファッションやメイクから病み系と分類されることが多いが、性格的にはむしろイケイケのギャルに近い。
「自分で言うもアレですけど、陽キャで“みんな友達だから!”みたいなマインド。たとえばクラスで浮いている子とかいるじゃないですか。なんだか放っておけないんですよ。おせっかいかもしれないけど、わざわざ他のクラスにいるその子のところまで行って、話しかけたりしていましたから」
そんな彼女だが、高校時代にハマっていた人物がいた。それがメンヘラ系YouTuberとして知られるシイナナルミ。周囲でも大流行していたという。
「なるみんは元アイドル(※81momentに在籍)だったんですよ。それでアイドルという存在がなんだか身近に感じられたんですよね。歌って踊るななみんの姿は本当にカッコよくて、“こういうふうに自分もなりたい”ってシンプルに憧れていました」
そこで加入することになったのが、最初のアイドルグループだった。
「ナルミさんがいた81momentはカッコいい系だったんですけど、私が入ったグループは毛色が違う可愛い系。正直、かなり戸惑いました。あと自分は当時まだ高校3年生だったから、ファンの人と目線が同じような感じだったんですよ。友達感覚と言いますか。今思うと、プロとしてお客さんに接しているという意識が少なかったかな。その距離の近さもアイドルとしては魅力なのかもしれないけど、10代ならではの危なっかしいノリがあって……」
当時、メンバーの結束は非常に強かった。しかし一蓮托生のメンバーは、グループの方向性をめぐってプロデューサーと徐々に意見が衝突するように。その結果、メンバー全員が一斉に辞めることになる。
「アイドルをやっていると、想像していなかったようなことが次々と起こるんです。本当に難しいなって思う。続けていくだけでも大変だなって」
ならく様も過去に炎上事件を起こしたことがある。「すまんけどアイドルってお前らのオモチャじゃないから、だから一生オタクなんだよ」というツイートが物議を醸したのだ。だが彼女に言わせると、これには伏線があったそう。当時は大学入学直後で、友達の輪が一気に広がっていく時期。そんな中、ならく様がアイドルだということを知らない生徒が仲間同士の集合写真をInstagramに上げたのである。
「その写真には女の子も男の子も普通に映っていました。それで私の存在に気づいたアイドルファンの人が、なぜか脅迫してきたんですよね。“この写真でお前のこと辞めさせられるんだからな”とか言って。こっちは何もやましいことがないから最初は無視していたんですけど、その恫喝がしつこくて……。別に私のファンというわけでもないから、現場で直接伝えることもできない。それでフラストレーションが溜まっていったんです」
嫌がらせをしてきた人物は、某事務所の箱推しファン。ただし、どういうわけか自分がアイドルオタクであることを頑として認めない面を持っていた。ネット上で一方的に攻撃を浴びていたならく様だが、大学名をバラされたことでついに堪忍袋の緒がブチ切れる。「お前はオタクじゃないとか言ってるけど、どう考えてもオタクだろ!」というわけだ。
「それでもアイドルはやめられないですね。なぜかというと、ライブがあるから。自分はライブをやっている瞬間が人生の中で最高に楽しいんです。生きがい……ってことになるのかな。ステージから見えるフロアの景色、お客さんの熱狂している顔……それがどうしても頭から離れないんですよ。どんなに嫌なことがあっても、あの光景を思い出すとまた戻りたくなってしまう。その繰り返しですね」
シュレーディンガーの犬に立ち上げメンバーとして参加し、中心メンバーとして知名度や影響力が上がるにつれ、「ならく様のメイク法を教えてください」といった同性からのリクエストも届くようになった。Instagramでは自分にそっくりなファンを見かけることもある。メンバー間でも「すごいよね」と話題になっているそうだ。
「あのちゃんや香椎かてぃさんの枠も狙えるんじゃないですか?」と水を向けると、「特に真似しているというわけではないんですけど、最近、かてぃちゃんに似ているってよく言われるんですよね」と軽くはにかむ。そして視線を再び前に向けつつ、「でも、ああいったカリスマっぽい子は大好きなので、そういう感じに自分もなれたらいいなとは思っています」としっかりした口調で続けるのだった。
「今後、やりたいことですか? 本当にいろいろあるんですよね。もう人生80年、1日24時間じゃ全然足りないなって思うくらいで。まず洋服が好きだから、モデルはやってみたい。それからバンドも絶対やりたい。自分はボーカルじゃなくて、ギターが希望なんですよ。爆音でロックやるとか最高じゃないですか」
とはいえ、一番の目標はシュレーディンガーの犬を大きくすること。一時期はメンバー卒業が相次ぐようなこともあったが、現在、グループは順調に動員を伸ばし続けている。
「シュレ犬のコンセプトは“EDM×ROCK”。そのおかげで普通のアイドルさんが出られないバンド系のフェスからお声掛けをいただけることもあります。普通にロック好きな人にも刺さるサウンドになっているはずですし。
私たちは王道系で可愛い感じのアイドルグループではなくて、ゴリゴリの攻撃的サウンドですから。それって今の時代だとTikTokとかSNSでバズりにくい曲調だったりするんです。でも、だからこそ生のライブを観に来てほしいなと思っています。面白いメンバーも揃っていますし、他のアイドルにはない“ロックな生き様”をチェックしてみてください!」
【前編はこちらから】“地雷系の最終兵器”ならく様のアイドル哲学「よく言われるのは、リストカットの跡あるんでしょ?」
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