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『室井慎次 敗れざる者』不器用な男の疑似家族もの!? 「踊る」シリーズの功績

エンタメNEXT / 2024年11月7日 17時30分

『室井慎次 敗れざる者』不器用な男の疑似家族もの!? 「踊る」シリーズの功績

©2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

1997年に放送開始されたフジテレビ系ドラマ「踊る大捜査線」から始まった「踊る」シリーズ。その12年ぶりの新作に選らばれたのは…なんと室井慎次!! 現在、映画『室井慎次 敗れざる者』が、全国公開されている。

【写真】『室井慎次 敗れざる者』場面写真

ちなみに室井慎次のスビンオフとしては『容疑者 室井慎次』(2005)が公開されているが、シリーズのなかでは黒歴史と言われることも多い作品だ。だからこそと言っていいのかわからないが、室井慎次のスピンオフを新作に選んだというのは、かなり冒険的な試みだといえるだろう。しかも警察組織を抜けてしまった後の物語になるとは。コンプライアンスや時代の流れを巧みに取り入れて、その時代、時代の警察組織をコミカルに、ときにシニカルに描いてきたシリーズだけに、完全に予想外の展開だった。

つまり室井が警察組織を内部から変えるという夢に破れた後を描いているのだ。しかし、全くできていないということはなく、室井が奮闘していたことは、周囲に伝わっており、無駄ではなかったことは何となく伝わっている。実際問題として、日本の警察組織内部の大改革となってしまうと、それはそれでファンタジーの世界になってしまうのだから、想いを後世に託したという余韻を残したのは、サブ&サブサブキャラクターに厚みをもたせることに成功している。

ひとりの不器用な男が、加害者・被害者親族を保護して、生活を共にするうちに心を浄化していく作品という点では、ドラマだと「明日の光をつかめ」や「さくらの親子丼」など、定番のテーマのひとつではあるが、不器用な男ひとりでというのは、なかなか珍しい。鍋やカレーなどの料理はできるが、お惣菜だけスーパーで買ってくるなど、細かい部分に拘りがあって、仕事人間であった室井慎次というキャラクターを解体していくという意味でも、見所多い作品である。

こういった作品の場合、主人公にもミステリアスな部分があって、エピソードを増すごとにわかっていくというのが定番ではあるが、室井の場合は「踊る」シリーズという基盤があるからこそ、良くも悪くもバックボーンが明かされた状態で展開されていくため、作品のテイストとしては良いのだが、「踊る」シリーズとして観ると困惑する部分もあるのと、子どもたちひとりひとりとのエピソードを丁寧に描き過ぎているため、尺的な問題が発生しているような感じがしてならない。



子どもたちのとのエピソードは、WEBシリーズかテレビスペシャルにして、事件は事件として扱った方がまとまりとしてはあるし、事件と子どものエピソードがシャッフルされているため、険悪になりかけていた子どもとの関係性が、急に解決されているなど、時間の関係で編集されたような不自然さを観客に感じさせてしまうのは問題である。

また、オリジナルキャストがあまり出演できない穴を埋めるために、所々にテレビシリーズや映画版のフッテージ映像が使用されているのは良いとしても、例えば若手弁護士について話をする時にまで『容疑者 室井慎次』の小原久美子(田中麗奈)の映像が流れることや、「レインボーボリッジ封鎖した事件です」「封鎖できなかったが」のキャッチボールを連発するなど、ややくどいと感じてしまう部分もある。

とはいえ、メインキャスト不在な分、サブサブキャラクターの成長がわかるのは「踊る」シリーズファンとしては嬉しい点も多い。

「踊る」シリーズの何よりの功績は、海外ドラマではお馴染みであった、スピンオフという概念を日本に定着させたことである。今で言うユニバース化を成功させた功績は認めざるを得ない。ひとりひとりにスポットライトを当てて、世界観を拡張させる余地を作っておく絶妙なキャラクター配置は、今作においても健在である。

今のところ室井慎次版「明日の光をつかめ」のような印象が強くなってしまっているが、11月15日から公開の『室井慎次 生き続ける者』で、大きく巻き返してくれること多くの「踊る」ファンが望んでいるはずだ。

【ストーリー】

正義を信じ、理想を追い続けた男、室井慎次。家族を持たなかった男が、"家族"を守る。「あの男との約束を果たせなかった。」 現場の捜査員のために粉骨し、警察の組織改革に挑むなど、波乱に満ちた警察人生を歩んできた室井慎次。27年前の“青島との約束”を果たせなかったことを悔やみ、警察を辞めて故郷・秋田に帰る。そこには、かつての想いで、少年たちと一緒に穏やかに暮らす室井の姿がーー。そんな中、室井の前に突如現れた謎の少女。彼女の来訪とともに、他殺と思われる死体が発見される。そして明かされる、少女の名前は…日向杏。シリーズ最悪の犯人と言われた猟奇殺人犯・日向真奈美(小泉今日子)の娘だという、衝撃の事実が判明する。「とんでもない死体を見つけましたね、室井さんーー。」東北の山奥には似つかわしくない、おびただしい数の警察官、ヘリや警察車両ーー。「最悪」は何故室井慎次を狙うのか。

【作品情報】
監督: 本広克行
脚本: 君塚良一
出演: 柳葉敏郎、福本莉子、齋藤潤、前山くうが・前山こうが、松下洸平、矢本悠馬、生駒里奈、丹生明里、松本岳、佐々木希、筧利夫、甲本雅裕、遠山俊也、西村直人、赤ペン瀧川、升毅、真矢ミキ、飯島直子、小沢仁志、木場勝己、稲森いずみ、いしだあゆみほか
プロデュース: 亀山千広
(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝
公開日:2024年10月11日(金)

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