「モデル一本でやっていきたい」…『non-no』専属モデル・林芽亜里、俳優活動スタートまでの葛藤

林芽亜里　撮影／たむらとも

“ガーリーの神様”と呼ばれ、同世代の女子から憧れを集めてきた『non-no』モデルで俳優の林芽亜里。現在放送中のMBSドラマ特区枠『初めましてこんにちは、離婚してください』（以下、はじりこ）では16歳で「政略結婚」をさせられた名家の令嬢の結城莉央を演じている。演技への挑戦を始めたばかりの彼女に、主演としての抱負や役者としてのやりがいを聞いた。(前後編の後編)

【写真】林芽亜里の晴れ着撮りおろしカット【10点】

──林さんは2015年に『ニコ☆プチ』でモデルデビュー、その後『二コラ』『non-no』と雑誌を変えながら、「ガーリーの神様」というキャッチコピーのもと同世代からの支持を集めてきました。

林　“神様”はちょっとおそれ多いです（笑）。でも私は特に前髪にこだわりがあって、それを「憧れです」と言ってくれる方は多いですね。

──どんなこだわりですか？

林　以前はトレンドをまねして、分厚くて重ためだったんです。でも、もっと可愛く自分をプロデュースするには……と考えて、下ろす量を加減したり巻く加減を変えてみたりするようになりました。 前髪って少しの違いで雰囲気が全然変わるので、今は色んな前髪を楽しんでいます！

──セルフプロデュースの成果なんですね。

林　やっぱり自分に自信がないと、好きなかわいいお洋服も全力で楽しめない思うんです。 前髪の細かい部分にもこだわることによって、より自信をもってモデルのお仕事に向かえるようになった気がします。 完璧ではないかもしれないけど、自分のベストを尽くして、去年より今年の方が可愛い私でいようと思っています。

──林さんにとって、今年は俳優としての活動を本格的にスタートさせた年でした。俳優としてのお仕事はどうですか？

林　監督とアイデアが一致した時や、 セリフで気持ちを出し切ってからも、カットがかかるまでその人になりきって、役からさめないでいられる感覚が少しずつ分かってきているような気がしています。



──ということは、林さんは演じる役にかなり感情移入するタイプですか？

林　過去に「役への共感がないと、人に伝わる演技はできない」と教わったからというのもありますけど、普段から小説やドラマの出来事をつい自分に置き換えて想像をふくらませてしまうタイプですね(笑)。

ロマンチックというか、現実味がない設定の物語だと特にそうなので、今回の旧家のお嬢様という私からしたら現実離れした莉央ちゃんの役どころは想像がすごく膨らみました。 各話ごとに「ここで莉央ちゃんは何を思っているんだろう？」と何度も何度も台本や原作を読み返して掘り下げていきました。

──以前、憧れの存在に石原さとみさんの名前を挙げていました。石原さんのどんなところに魅力を感じていますか？

林　どんな役柄にもなりきれる演技力に憧れているんですけど、特にコメディでの石原さんが大好きで、ときめいてしまいます。コミカルなのにキュートで、真面目に演じていらっしゃるのに、見ている私はクスっとしてしまう……。『はじりこ』もラブコメなので、石原さんのように、自然と見る人を笑顔にできる演技ができていたらいいなと思います。

──連続ドラマでの主演で、新しい林さんの姿が見られそうですね。

林　以前は、演技のレッスンを勧められても「モデル一本でやっていきたい」と断っていたんです。でも、今はお芝居を始めて、ヒロイン役をいただけるまでになって……不思議な気持ちですね。

モデルを続けてきたおかげで現場での皆さんとの接し方や、表情の作り方も俳優業に活かすことができましたし、どんなところにも経験を活かすチャンスがあるんだなと実感しています。

“みんなの憧れ”のように推されることにはちょっと恥ずかしさもありますが（笑）、いつ人前に出ても自信を持った私でいられるようにこれからも努めたいと思います。

(取材・文／大宮高史)

▼林芽亜里(はやし・めあり)
2005年11月5日生まれ、石川県出身。2022年に最年少で『non-no』専属モデルデビューを果たした。放送中のドラマ『初めましてこんにちは、離婚してください』(毎日放送)で犬飼貴丈とともに主演を務めている。