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「生きるの、向いてないなあ」タレント・井上咲楽が抱える“生きにくさ”

エンタメNEXT / 2024年12月24日 6時0分

「生きるの、向いてないなあ」タレント・井上咲楽が抱える“生きにくさ”

井上咲楽 撮影/荻原大志

『新婚さんいらっしゃい!』を始め、数多くの情報番組やバラエティ番組で活躍する井上咲楽。「笑顔で明るくいつも元気」なイメージの彼女が、人知れず抱えてきた「ブレイクまでの苦悩」や「自己肯定感の低さ」、「不安」や「生きづらさ」について綴ったエッセイ『じんせい手帖』(徳間書店)が11月に発売された。今回は、その本の中から、「はじめに」で明らかにした、彼女の抱える生きにくさの形を特別編集版でお届けする。(全5回の2回目)

【写真】親友と絶縁した高校時代、写真で振り返る井上咲の半生

   *   *   *

「生きるの、向いてないなあ」

私は1日に何度もそう思う。
そして、自分が何者なのかをずっと考え続けてきた。
考えても仕方ないよ。
意味ないよ。
何回も言われてきたが、頭にこびりついて離れないのだ。私には考えないことが無理だった。

思い出しながら書いていったら、どちらかというと私の暗い一面がどんどん出てきてしまった。
タレントという私の仕事は、人に元気を与える職業でもあると思う。
テレビで元気にニコニコ話すことが求められるタレントとして、ネガティブな自分を出すのは失格なのでは……と感じる人もいるかもしれない。
画面に映る私も私。同時に、家に帰った後、1日を振り返って「今日も自分が嫌いだな」と思いながらしっぽり泣くのも私なのだ。
どちらも複数ある私の一面でしかない。

そう書きながら、別にそんな一面は出す必要もないんじゃないかとも思えてきた。だって、今日話した誰もが、きっといろいろな一面を持っているのに私に笑顔で接してくれたのだから。
みんな多面的な自分を抱えながら生きている。
そんな中、自分だけが生きにくさや今までのことを赤裸々に話すのなんてずるい気もする。

でも、みんなちゃんと隠して生きているからこそ、しんどかったり、苦しかったり、切なかったりする自分を持て余す夜があるのかもしれない。
私が思っているままを記すことで、元気にはならなくても「明日も生きてみるか~」くらいの気持ちになって朝を迎えてくれる人がいたらいいなと思っている。

自己評価は高いのに、自己肯定感が低くて、褒められると素直になれず、けなされて傷ついても「自分ならできるはず」とあきらめない。

前向きなのか、後ろ向きなのか、行ったり来たり、ぐるぐる悩んで、本当に生きるの、向いていない。
人間として稚拙な私。それでも25歳の今でしか感じられないかもしれない気持ちをなるべく解像度を上げて、心から出してみた。

井上咲楽が何者か。時間があったら、私の『じんせい手帖』にお付き合いください。

   *   *   *

 内気でいじめられっ子だった小学校時代から“いじられキャラ”へと変わっていった中学時代、芸能界との両立がうまくいかずに精神的なバランスが取れずにいた高校時代。親友との絶縁、そして、売れたいと迷走していた時期から、一番の特徴であった眉毛を剃るにあたっての葛藤、変化――。エッセイには彼女が歩んできた四半世紀が赤裸々に綴られている。

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