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どん底から再ブレイクへ、マシンガンズが語る苦境対策「絶対に努力より環境、前向きな逃避」

エンタメNEXT / 2024年12月26日 6時1分

どん底から再ブレイクへ、マシンガンズが語る苦境対策「絶対に努力より環境、前向きな逃避」

マシンガンズ 撮影/西邑泰和

25年以上の芸人キャリアを持つマシンガンズ。そんな2人だからこそ語れる社会で生きる術やライフハックはきっとあるはず。コンビとして13年ぶりの書籍『もう諦めた でも辞めない』(日経BP)上梓に際して、社会人にとっても有用な気付きや考え方について話を聞いた。(前後編の後編)

【写真】書籍『もう諦めた でも辞めない』を発売したマシンガンズ

──まず大前提として芸人というのは普通の職業とは異なりますよね。芸人という仕事の良い部分と悪い部分をそれぞれ教えてください。

西堀 良い部分としては、こんなにげらげら笑う仕事ないですよね。笑っている数ならどの仕事にも負けない。みんな芸人になってみたらどうですかね(笑)。

滝沢 芸人が一番すごいと思うんですよね。真面目だし、上下関係もしっかりしているし、優しいです。芸人ですごい嫌な人って見たことない。こんなに居心地いいところないですよね。

西堀 芸人が今一番ちゃんとしているんじゃないかな。

滝沢 芸人が一番偉いよ。不倫したらすぐ叩かれるし。

西堀 サラリーマンのほうが叩かれない。芸人が浮気しちゃだめな時代になってしまいました(笑)。

──そもそもですが、芸人以外のお仕事は考えなかったのでしょうか?

滝沢 元々学校の先生になりたかったんですけど、今の世の中を見ているとそれも大変そうじゃないですか。だから、結果的には芸人で良かったですね。

西堀 僕もいい大学を出ていたら考えていたかもしれないです。スタートが悪いので、普通に働いたほうがいいとか考えたことないですね。

──芸人になっても、なかなか芽が出ない時期も長かったかと思います。苦労している社会人の方と重なる部分があるかと思いますが、いかがでしょうか?

西堀 僕らの場合、自分が地獄にいても周りも同じ場所にいるので、その悲惨さがわからない(笑)。芸人だからと言い訳している感じですかね。

──なるほど(笑)。下には下がいるというか…。

西堀 そうそう。上を向いて努力するから大変なんですよね。下を向いてまだマシな方だと思えばいいと思う。

滝沢 僕らを見下してくれたらそれは芸人の本望なので。



──確かに苦しい状況にいると、なかなか周りが見る余裕がなくなるので、そういった意味で芸人さんの存在はありがたいですよね。

西堀 生きていて苦しいって最悪の状況ですよね。僕が言いたいのは逃げるのもひとつの手ということ。逃げて最終的に嫌な思いをする人っていないと思うので、事情はあると思いますが、その選択肢も考えてみてほしいです。

──滝沢さんはごみ収集会社に就職して、サラリーマン的な側面もあるかと思います。働く上で何かコツはあるでしょうか?

滝沢 楽しいと思い込むことですかね。楽しもうと思わないと、めっちゃ寒い時の雪の中でゴミ回収ってできないですよ。何が楽しいことなのかと自分の中で考えていって、無理やり見つけてここまで続けてきました。

──働いていると、避けることができないのが人間関係。お二人も嫌なスタッフと接することはあったかと思いますが、現在悩んでいる方にアドバイスをするとしたらいかがでしょう?

西堀 一度そうなったら関係性は修復できないですよ。ここでもなるべく逃げる方向で、異動や転職を考えてみてほしいです。やっぱり会わない以外はないですよ。

滝沢 逆に部下が上司を評価してやるぞという気持ちで。ねぎらってくれたりする上司の方に結局は人が集まったり、結果が出るようになっています。嫌なやつはどうせ孤独になるので。

──逆に自分がそうならないために後輩などと接する時に注意していることはありますか?

滝沢 偉そうにしない。この世界は飛び級で出世するやついるんですよ。偉そうにしていたら後輩が先に売れたりして、接しにくくなったりするんですよね。なので優しくしときます。

西堀 嫌なことをされたら絶対に忘れないですよね。我々もそうですけど、1日で環境が変わる世界ですから。長くいたからって徐々に出世するわけではないので、後輩とはなるべく関わらないようにしていますね。

──では、総括的な質問になるのですが、長い芸人キャリアを経て、見えてきた気づきや考え方はあるでしょうか?

西堀 大きい流れには逆らえない。どれだけ頑張っても逆らえないと思っちゃいましたよね。セカンドも僕らが作ったわけではないし、大きな流れに乗っただけなわけで。『もう諦めた でも辞めない』を読んでくれる人にも頑張るなって言っているわけじゃないですけど、頑張ってもどうしようもないことはあるよと伝えたいです。

滝沢 しっかり仕事をひとつひとつ精査することですかね。昔はやれって言われたこと全部全力でやっていたんですけど、1円にもなっていないことに気づきました。だから、この仕事はどういう意味があって、お金はどれくらいもらえるのかと、しっかり聞くようになりましたね。

──最後に、苦労人のマシンガンズさんから、実社会で苦労している人たちに向けてメッセージをお願いします。

西堀 大事なのは、絶対に努力より環境だと思う。だって努力はすでにしているわけでしょ。同じところにいてもなかなか変わらないですよね。我々も環境で変わったので。自分のスキルアップばかり考えても大変です。違うところに違う流れに乗って、他力本願という道も考えてみてほしいです。

滝沢 例えば恋愛もそうですよね。勝負する場所を変えたら成功することもある。例えば海外まで視野を広げるとか…。とにかく、場所を変えてみてほしいですね。

西堀 コンプレックスがストロングポイントになるかもしれないよね。前向きに逃げる。前向きな逃避が大事ですね。

▽『もう諦めた でも辞めない』
著者:マシンガンズ
定価:1760 円(税込)
発行:株式会社日経 BP

【前編はこちらから】マシンガンズが語る、売れない芸人半生「滝沢が就職して終わっていくんだなと、諦めがありましたね」

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