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「芸人としての理想形」キャプテン渡辺がSMA先輩ハリウッドザコシショウを語る

エンタメNEXT / 2024年12月20日 6時1分

「芸人としての理想形」キャプテン渡辺がSMA先輩ハリウッドザコシショウを語る

キャプテン渡辺 撮影/松山勇樹 

2年連続で漫談イベント「漫談スタイル」を開催し、大盛況を収めたキャプテン渡辺。彼にしかできない漫談はニッチなファンを呼び、業界内でも確かな評価を確立する。そんな彼から見る偉大な先輩・ハリウッドザコシショウや、2024年のお笑い界について話を聞いた。(前後編の後編)>>前編は下の関連記事からご覧ください。

【写真】独演会を開催するキャプテン渡辺

──先日、SBS(静岡放送)でハリウッドザコシショウの冠番組『冠ザコシの冠冠大冠』にも出演しましたよね。改めて、ハリウッドザコシショウとはどんな存在でしょうか?

シショウは一番憧れの人。芸人としての理想形だと思います。お笑いのことしか考えていないし、好きなことしかやっていない。それであそこまでいくんだから。SMAの芸人はみんな影響を受けているんじゃないですか。シショウに言われて単独ライブをやることを決めたという部分もあるので、大きな存在ですよ。

──やっぱり人間としての器量も感じますか?

器量はあります。厳しいけど、最後は優しいんです。先輩に言うのもすごく失礼ですけど、人たらしというか。普通だったら許さないよなという場面でも最後には許してくれる優しさがあるんです。

──ネタに関しても、SMAの芸人さんだとザコシショウさんによく見てもらうという話も聞きます。

シショウがだめだと言うネタは絶対だめですね。そこの判断がすごい。SMAの芸人であれば、シショウを笑わせるくらいじゃないと売れないんですよ。だから、僕も自信のないネタを見てもらうときは怖さもあります。

──話を聞いていても、SMAは特殊な事務所なのかなと思うのですが、中から見てどういう事務所でしょうか?

一言で言ったら楽しい。悪く言ったらぬるま湯。そのぬるま湯から脱した芸人が売れています。バイきんぐとかシショウとか錦鯉とか。錦鯉はM-1を取る前はライブに出まくっていましたし、目の色が違いました。

一方で、僕は人生においては売れるが絶対正義だとは思っていなくて、売れなくても楽しく芸人活動ができているのであれば、人生としてはいいんじゃないかと思うんです。そういう意味で、40代後半でこれだけ売れていない芸人がいる事務所は他にないので、SMAは懐が広いですよね。

──加えて、SMAの芸人はしっかりと色があるというか、この事務所だとわかるような色を持っていますよね。

僕やシショウ、錦鯉、AMEMIYAだって、他の事務所で通用しなかった者が集まってきている。いわゆるエリートではなくて雑草組だから、色が似てくると思うんです。一回負けたから、出てくる色だと思います。

──いわゆる雑草組かもしれませんが、SMAは賞レース王者やファイナリストを何組も輩出していますよね。その理由はどこにあるのでしょうか?

環境がすごく良かったんだと思います。びーちぶという持ち小屋があって、SMAの芸人なら格安の値段でライブができた。吉本の芸人はみんなびっくりするんですけど、ライブが終わった後にみんなで反省会をするんです。全員で毎日ネタについて話すというのは他の事務所だとあまりないだろうし、それが良かったんじゃないですかね。

──昨今のコンプライアンスもどんどんと厳しくなっている印象を受けます。メディアに出る側として息苦しさもあるのではないでしょうか?

下手なことが言えないですもんね。わざわざ言わないですけど、気にしなきゃいけない。僕の場合、競馬番組で急に変なことは言わないですけど、厳しくなるのはしんどいなと思います。



──そんな変わっていく芸能界の中で、今年活躍していたと感じる芸人はいますか?

やっぱり粗品でしょ。シショウも僕にとって理想形だけど、粗品も理想形。好きなことしかやっていない。僕にとってのベストって、カメラひとつ置いて、好きなこと喋ってそれで再生回数が回ることなんです。それが実現できたらテレビに出るより嬉しい。それを粗品はやりつつありますよね。

──キャプテン渡辺さんの得意分野でもあるギャンブルを、粗品さんはエンタメとして昇華していますよね。

チンチロもイベントとして、横浜アリーナで成功させていてすごいですよね。僕だったら、SMAの雑魚芸人を集めて、カイジのEカードでやってみたいですよ(笑)。

──先日、ザコシショウさんにインタビューさせていただいた時も粗品さんの名前が挙がっていました。そこでは街裏ぴんくさんの名前も挙がっていて「心配」という話があったんですが、キャプテン渡辺さんとしてはいかがでしょう?

シショウはぴんくが大好きですからね。僕もぴんくは大好きですけど、厳しい言い方をすると消えるというか出てもいないイメージ(笑)。まあ、人のことは言えないですけど。シショウは優勝した年、ばか跳ねでしたから。アキラ100%もどーんと跳ねていました。

──それで言うと、キャプテン渡辺さんは今後テレビで売れていくという夢はまだあるのでしょうか?

テレビで売れる熱は冷めているかもしれないです。これを聞かれたら売れている芸人に怒られるかもしれないけど、そういう気持ちは下がっています。

──その熱が冷めた要因というのはどこにあるのでしょうか?

僕の場合、競馬番組に出させてもらって、徐々に仕事が増えてきて、収入も増えてきた。そこが大きいです。芸人はみんな飢えた狼なんですけど、僕は満腹の狼なんです。年齢も来年50歳になるので、仮に売れたとしても60歳までかなと思っちゃう。それ以降もテレビに出続けるって、今で言うとかまいたちとか千鳥のレベル。

そのレベルの人すら、出られなくかもしれない。そこまであと11年かと思うと、色々考えちゃいます。そもそもなぜ売れたかったかってブイブイ言わせたかったから。毎日お祭り騒ぎみたいな。今、そういう気持ちはゼロなので、好きなことをやって食えているのが一番。僕にとってそれが競馬番組であって、ライブなんですよね。

▽キャプテン渡辺独演会「漫談スタイル3」 2024年12月25日(水)、東京・杉並公会堂 小ホールで開催!詳細は、以下ご確認を。
https://w.pia.jp/t/captain-watanabe/

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