映像業界の実話が映画化・主人公をどん底に落とすヒロイン役の小西桜子「人格を否定せずに演じた」
エンタメNEXT / 2024年12月24日 6時1分
小西桜子
悲願だった脚本家デビューを目前に控えた32歳の男性が、泥酔して気がついたらホテルのベッドの上。昨夜、一緒にいたはずのキャバクラ嬢は姿を消しており、強引に襲ったとして多額の示談金を請求されることになった──。映像業界で実際に起こった出来事を基にした映画『ありきたりな言葉じゃなくて』(12月20日公開)が話題となっている。主人公を絶望のどん底に突き落とす難役を演じた小西桜子(26)は、どこかミステリアスなムードを漂わせた正統派美女。映画に懸ける意気込みや撮影中のエピソードを語ってもらった(前後編の前編)。
【写真】『ありきたりな言葉じゃなくて』ヒロイン役の小西桜子
──映画『ありきたりな言葉じゃなくて』出演が決まった経緯を教えてください。
小西 オファーしていただき、脚本を読ませていただいたうえで、「ぜひ!」とお受けしました。テレビ朝日映像さんにとっては初の長編オリジナル映画制作ということで、特別な熱が込められていることは脚本を読んだ段階で感じましたし、本当にありがたいなと思いまして。全身全霊で勤めさせていただこうと思いました。
──初めて脚本を読んだときの率直な感想は?
小西 まず実話をベースにしていると伺ったので、りえという役に対して責任を持って向き合わないといけないなというのがひとつ。そのうえで作品としては前原滉さん演じる藤田拓也がメインの役柄になるので、私の演じるりえが拓也の葛藤などをきちんと引き出す必要があると気づきまして。その拓也とりえの間である種の化学反応みたいなものが生まれて、最終的に観た方が「すごくよかった」と感じてもらえるといいなと思いました。
──りえは癖のある悪女のように描かれています。小西さん自身は、りえはどんな女性だと感じましたか?
小西 客観的な事実ベースで判断すると、まともとはとても言えないですよね。でも、そのバックグラウンドにある事情などを知ると、決して共感できない役ではないなと思いました。ですから私もなるべく心を寄せて、りえという人格を否定せずに演じました。
──りえに対して、「ここは似ているな」と感じることもあった?
小西 もちろん性格的には違うところも多いんですけど、共感できる部分もありました。自分の中にある葛藤だったり、本当の気持ちを言えない分、それを溜め込んでしまってアウトプットする方法を探したりとか……。その方法は間違えているところが多いものの、気持ち的には理解できましたね。
──撮影現場はどんな雰囲気でしたか?
小西 最初のうちは、わりと楽しいシーンが多かったんですよ。後半でいろんなことが明らかになっていくわけですけど。なので撮影前半で打ち解けることができて、そこは結果的によかったなと思います。本当に現場が楽しかったし、前原さんもすごく気さくで飾らない方で。もちろん主演として頼りがいもあるので、いろいろ相談に乗ってもらったりもしました。
──どんな相談をされたんですか?
小西 私が脚本をいただいた前の段階から、前原さんはいろいろ脚本についてお話されていたみたいなんですよ。そういうこともあって、私も脚本を読む中で「こう思うのですが……」みたいな提案を監督も含めたスタッフさんとさせていただいたりしまして。途中からはみんなで一緒に脚本を作っていったようなところがありました。
──撮影に入ってからも、脚本に修正を加えるような感じだったのでしょうか?
小西 そうですね。修正もあったし、「ここのシーンの展開は、こっちのほうがいいんじゃないか?」みたいなことが結構ありました。監督の渡邉(崇)さん自身も初めて映画の脚本を書いて撮るということだったので、そこはわりとオープンなスタンスだったんです。
──ほかに撮影中に印象に残っているエピソードは?
小西 拓也とりえが卓球で勝負して、勝ったりえが拓也にテキーラのショットを飲ませるシーンがあるんです。だけどカメラが回ると、私がどうしても勝てなくて……。しょうがないから「勝てないのに飲ませている」という設定に急遽変更しました(笑)。
──それにしても実話が基になっているということで、演じるのが難しかった面もあったのでは?
小西 たしかに拓也に関しては本当に体験した方の話が基になっているんですけど、私が演じたりえ自体は架空の人物なんですよ。ですから、そこに関しては「本物に似せなきゃ」といったプレッシャーはなかったんです。それよりも神経を尖らせたのは、センシティブな内容なだけに、映画として観た方に不快な思いをさせたり、傷つけたりすることは絶対にあってはいけないなということ。そこはこの映画のチーム全員が共通認識として持っていましたし、ずっと話していたところでした。
──りえはキャバクラ嬢として働き、家庭環境が複雑という面を持っています。小西さんの実生活から、かけ離れている気もするのですが。
小西 たしかに自分がりえと同じような境遇にあったことはないのですが、実際にりえと同じような経験をされている方は多いと思うんです。自分の身近な体験ではなかったとしても、なるべくそこに寄り添っていきたいというのが考えとしてありました。あとは「夜の街で働いているから~」とか「家庭が複雑だから~」といった感じで、記号としてキャラクター化させないように気をつけました。
▽こにし・さくらこ
1998年3月29日生まれ、埼玉県出身。17年からモデルとして活動を開始。MVや自主映画の出演などを経て、20年には応募総数約3000人の中から映画『初恋』のヒロインに抜擢される。そのほか、『ファンシー』『猿楽町で会いましょう』『映像研には手を出すな!』『佐々木、イン、マイマイン』や、連続ドラマ『死にたい夜にかぎって』など出演作多数。
【後編はこちら】完全にフリーランスから小栗旬率いる事務所所属へ、小西桜子「すごく恵まれた環境」
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