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有村昆が選ぶ、2024年邦画ベスト10「政治の問題にネットではできない映画の視点で切り込んだ」

エンタメNEXT / 2024年12月30日 14時36分

有村昆が選ぶ、2024年邦画ベスト10「政治の問題にネットではできない映画の視点で切り込んだ」

石丸伸二氏をモデルにした『掟』

映画コメンテーターの有村昆が、2024年に公開された「邦画」、Netflixなどの配信作品の中から個人的に面白かったベスト10を発表。一体、どんな作品がランクインしているのか!? 前編は10位から6位の発表です。

【画像】有村昆が選ぶ2024年邦画ベスト10、10位~6位

●アリコンが選ぶ 2024年邦画ベスト10
10位『6人の嘘つきな大学生』
9位『帰ってきた あぶない刑事』
8位『八犬伝』
7位『WILL』
6位『掟』

2024年の邦画は、アニメを除くと、突出した大ヒット作というのが出なかったですね。それでも、話題性という意味では影響力のある作品が多かったような気がします。では、10位から6位までをテンポ良く発表していきましょう!

第10位は『6人の嘘つきな大学生』。『キサラギ』の佐藤祐市監督による、ミステリー仕立ての青春ドラマです。設定はシンプル。就職の最終面接で6人が残って、この中から1人だけしか受かりません。誰が合格なのか、皆さんで話し合って決めてください、という導入です。そこにある謎が隠されていて、その真相に迫りながら、『ライアーゲーム』や『カイジ』のような心理的な駆け引きが繰り広げられていきます。

ほぼ会議室しか出てこないんですけど、ストーリーがよく練り込まれていて、どんな結末を迎えるのか、こねくり回すような展開が面白かったですね。

9位は『帰ってきた あぶない刑事』です。これは何十年も続いているシリーズなので、同窓会みたいな映画なのかなと思ってたんですよ。でも時代が3周くらいまわっていて、タカとユージの佇まいやファッションが、いまみると本当にカッコいい。タカがハーレーにまたがってショットガンを撃つとか、ユージの走り方とか、もはや伝統芸能の領域で思わず「待ってました!」と言いたくなりました。

8位は『八犬伝』。僕たちの世代でいうと1983年に公開された深作欣二監督、薬師丸ひろ子と真田広之が主演した『里見八犬伝』という映画の印象が強烈で、あれを現代版で蘇らせたような作品なのかと思ったら、ちょっとひねってあって、八犬伝を書いた滝沢馬琴とその挿絵を書いた葛飾北斎のパートがあるんですよ。

滝沢馬琴は28年かけて「八犬伝」を書き続けていて、最後のほうは目が見えなくなってしまうんですけど、息子の嫁に口述筆記で書いてもらったという逸話をドラマにしているんですね。

この「八犬伝」は、挿し絵が多く入っていて、それを葛飾北斎が手掛けていた。ビジュアルも重視していたというのは、この時代には画期的なことで、これはもう世界初のライトノベルなんじゃないかと思いますね。8つの玉が散らばって、アザが持った運命の犬士たちが集まってくるというストーリーも、あらゆる冒険モノの元祖。そんな「八犬伝」の凄さを改めて知ることが出来た作品だったと思います。



7位は東出昌大くんの『WILL』を入れました。東出くんはスキャンダルなどもあって芸能から身を引いて、山に籠もって猟師になるんですが、その姿をカメラがずっと追ったドキュメンタリー作品です。

事務所をクビになった時もカメラが回っていて、「辞めさせられちゃったね、ハハハ」とか、あまり動じてなかったりする東出くんが面白い。噂になった3人の女性との共同生活にもカメラが入っていて、その山小屋に雑誌の記者がアポなし訪ねてくるんですけど、ちょうどバーベキューをしていたので、一緒に肉食いながら話をしたりとか。とにかく東出くんの表裏のない性格というのがよくわかるし、もう生きたいように生きるんだという気持ちも伝わってくる。

実際に、映画の冒頭のあたりの東出くんはあんまり元気なかったんですけど、後半に向かって本当に自分がやりたいことをやりはじめると溌剌としてきて、目の輝きが変わってくるんです。

今年も芸能界ではいろんなスキャンダルが起きて、謹慎とか引退する方がたくさんいたじゃないですか。でも、実際は芸能人だけじゃなくて、一般に生活している方もプライベートではいろいろやらかしてるはずなんですよ。表には出てないだけで、各ご家庭、職場、人間関係で問題を起こしている。それでペナルティを受けた人もいると思いますけど、『WILL』の東出くんを見てると、それでも自分の好きに生きればいいじゃないかというメッセージが伝わってきます。今年1年、いろいろあった人にこそ観てもらいたい作品ですね。

6位は奥山和義さんプロデュースの『掟』。都知事選に出馬して話題を集めた石丸伸二さんをモデルにしたドラマです。平たくいえば、便乗映画なんですよ。もともと舞台劇だったものを、話題の人物ということですぐ映画版を作って、すぐ公開した。

この作品はマスコミ批評としても面白かったですね。自分が、ニュースやネットの切り抜き動画などで、なんとなくしかしか石丸さんを観ていなかったことに気づかされます。こうやって情報を整理して、全部を通してみると、なるほどね、という部分もある。ちょっと偏った人物だとは思いますが、日本的な根回し政治というものに対して、どこの派閥にも属さず、ネットを味方につけてぶち壊していく姿は興味深かったですね。

それに、これは映画として新しいジャンルだと思いました。政治の問題に対して、テレビやネットではできない、映画としてのまた違った視点で切り込んでいく。若い人たちに政治に興味を持ってもらうキッカケになる作品だと思いましたね。

【1位~5位】有村昆が2024年邦画ベスト10を発表「俺たちは好きな映画を撮るんだ、という気迫を感じた」

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