令和ロマンが「M-1グランプリ」二連覇、優勝を決定づけた最終決戦の“番手”
エンタメNEXT / 2024年12月25日 18時0分
令和ロマン
やはり令和ロマンは強かった――。王者らしい横綱相撲だったことは間違いないが、何かひとつ“狂って”いれば結果は違ったとも思う。
【関連写真】全てのお笑いファンに捧げる永久保存版、20回大会記念本『M-1グランプリ大全』
12月22日、結成15年以内で争う漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2024」決勝が開催。2年連続トップバッターが令和ロマンに決まった瞬間、会場はどよめきに包まれた。本人たちもさすがに予想外だったことを明かしている。しかし、想定外の状況であっても、慌てないからこそ彼らは王者だ。
1本目のネタに選択したのは「名前」。子供の下の名前だけではなく、名字も考えるというネタは、彼らのラジオ番組でトークしていた流れから生まれたもの。それが10月のことで、わずか2か月程度でこのクオリティの作品に昇華したのは高比良くるまの才能にほかならない。学校の席が名前順で決まるというのは全国民にとって通ってきた道で、あるあるとしてはあまりに強すぎる。去年の1本目の「転校生」にも通ずるような“持論系しゃべくり漫才”は圧巻のパフォーマンスで爆笑を巻き起こした。
彼らのハイパフォーマンスの影響を2番手のヤーレンズがもろに受け、1点差に肉薄した真空ジェシカを除いて終盤まで“爆発”は起きていなかった。そんな中で会場を一気につかんだのが7番手のバッテリィズ。ボケのエースがお馬鹿すぎて偉人の名言を理解できないというネタは誰が見てもわかりやすく、ハイコンテクストな令和ロマンや真空ジェシカといった高学歴コンビのネタとは一線を画す。NON STYLE石田の言葉を借りるなら「不意打ち」のような一撃は幅広い層に突き刺さり、9人中6人の審査員が最高点をつけている。
賞レースにおいて場の空気というものは確かに存在する。M-1の歴史上でもその日一ウケたコンビの後は、お客さんの間で余韻が漂ってしまい、ウケづらくなるという現象が度々見られてきた。今年に関してはバッテリィズの直後がそれで、煽りを受けた8番手のママタルトが最低点となってしまっている。
9番手のエバース、10番手のトム・ブラウンもともに健闘したものの、惜しくも届かず、最終決戦にはバッテリィズ、令和ロマン、真空ジェシカが進出。点数で言えばバッテリィズは2位の令和ロマンに11点差をつけ、優勝に向けて明らかに追い風が吹いていた。最終決戦でも番手を自由に選べる立場にあったが、大トリの3番手を選んだことが結果としてその場の空気を変えてしまったように感じた。
バッテリィズ後の3組はいずれも最終決戦に残らなかったわけだから、全員が笑った「あのお馬鹿を早く見たい」という感情が会場に充満していたと想像するのは容易い。しかし、最終決戦でトップだったのは真空ジェシカ。彼らはよりカオスなネタを選択し、らしさを見せつけて、バッテリィズの“残り香”を一掃する。そして、2番手の令和ロマンは1本目と打って変わって「タイムスリップ」というファンタジーなネタを選択。空想感の強いネタが一気に2本続いたことにより、笑いやすい環境が令和ロマンにとって有利に働き、一気に連覇への道を駆け抜けたのではないだろうか。
もちろん、結果論に過ぎないし、優勝した令和ロマンのネタは2本とも後世に語り継いでいきたいほど完成度の高いものだった。しかしつい2年前、ファーストラウンド10組目に登場し3位で最終決戦に進み、最終決戦トップバッターで自分たちの空気のまま優勝トロフィーを手にしたウエストランドの姿はまだ鮮明に記憶に残っている。
「令和ロマン強し」の印象を鮮烈に残した今大会だが、何かひとつボタンをかけ違えていれば結果は違ったのではないか。そんなふうにも考察してしまいたくなるほど最後まで読めない、魅力的な大会となっていた。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ナイツ塙、『M-1』で真空ジェシカに投票した理由 令和ロマンは「お笑い界の白鵬」
マイナビニュース / 2024年12月28日 18時27分
-
「松本人志は不在でも『M-1神』のような存在に」元人気芸人も驚愕した大会を決定づけたカギ2つとは?
女子SPA! / 2024年12月26日 15時46分
-
登場するなり「終わらせよう!」と勝利宣言…M-1連覇達成「令和ロマン」の1年がかりの緻密で壮大なプラン
プレジデントオンライン / 2024年12月25日 17時15分
-
2024年は「始まりの年」令和ロマンM-1連覇の快挙、無所属芸人が賞レースで快進撃…、松本人志不在で脚光を浴びた“芸人たち”
集英社オンライン / 2024年12月24日 17時0分
-
令和ロマン「M-1グランプリ」連覇の大快挙!ラリー遠田氏が“お笑いAI”と評した天才的「場の空気の掴み方」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月23日 11時37分
ランキング
-
1NHK大河ドラマで江戸の町民が主人公は初めて 「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は賑やかになりそう
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月5日 9時26分
-
2綾瀬はるか、大河「べらぼう」に出演! 語り部「九郎助稲荷」が花魁姿に変身
iza(イザ!) / 2025年1月5日 12時15分
-
3香取慎吾「案外、ワイワイしてますよ」 意外なプライベート告白に共演者驚き「芸能界ではどうにかして…」
スポニチアネックス / 2025年1月5日 9時42分
-
4人気お笑いタレント、芸人仲間からの嫌がらせと孤立を告白「キツかったって涙出そうになる」
日刊スポーツ / 2025年1月5日 14時13分
-
5小芝風花 大親友女優との「毎年恒例の愛始め」仲良しSにファン「最高」「眩しい」 昨年末事務所退所
スポニチアネックス / 2025年1月5日 8時43分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください