俳優・橋本環奈の職人魂にカギ、『おむすび』ヒロイン・結の決断に視聴者が“納得”できる理由
エンタメNEXT / 2025年1月14日 19時45分
写真◎NHK
現在放送中の連続テレビ小説『おむすび』(総合・月曜~土曜8時ほか)。1月6日(月)~10日(金)放送の第14週「結婚って何なん?」では、ヒロイン・結(橋本環奈)と翔也(佐野勇斗)が結婚。幸せいっぱいのスタートとなった。
【写真】ヒロイン・結(橋本環奈)と翔也(佐野勇斗)が結婚、『おむすび』第14週
朝ドラヒロインの結婚は一筋縄ではいかないことも多い。前作『虎に翼』のヒロイン・寅子は夫と死別し、事実婚を選択。前々作『ブギウギ』のヒロイン・スズ子も婚約者と死別し、シングルマザーとなった。結が(ほぼ)初恋の翔也と長年の交際の末に結婚できたのは、朝ドラ史上ではややレアケースかもしれない。翔也のライバルか?と噂された同僚・原口(萩原利久)になびくことも、実家に泊まりにきた陽太(菅生新樹)とうっかりラブが芽生えることもなく、翔也との愛を誠実に育む姿に胸を打たれた。
物語としては恋のライバルの登場や幼馴染とのうっかりラブが発生した方が面白かったかもしれないが、結は“ダサいことをしない”というギャル魂を貫いた。結の成長を見守ってきた視聴者ならば、結の選択に決して「つまらない」とは思わなかっただろう。結は義理人情に厚く、人を裏切ったりよそ見をする人ではないと分かっているからだ。
これまで結は「書道部に入る」「ギャルになる」「栄養士になる」「星河電器に入社する」など、人生のターニングポイントとなる決断をたくさんしてきている。時にはヨコシマな気持ちがきっかけだったり「これで大丈夫?」と心配になったりすることもあるのだが、いつも「結ならこうする気がしていた」と視聴者が納得できる決断をしているように思う。
それは、容易に展開が読める、もしくは結の言動がワンパターンというわけではなく、「米田結」という人物の思考・行動に一貫性があるということだ。普段、ややツメが甘く自分の意思をハッキリ伝えるタイプの結が、自分が不利になりそうな場面でいきなり謎の勘の良さを発揮したり、突然気の利くお利口さんになったりはしないのである。
一体何が結への“納得感”を生んでいるのか。それはやはり、結を演じる橋本環奈の役への理解度にカギがある気がしている。昨年12月30日(月)に放送された『プロフェッショナル 橋本環奈スペシャル』では、『おむすび』の撮影現場に密着。橋本が“結になる”瞬間や、結の心情に向き合う姿が切り取られていた。
番組内で橋本は自身のことを「気を遣って明るくしたり、家族の中心でいるところが結と似ている」と話す。撮影現場でもムードメーカーで、現場にピリッとした空気が流れると率先して声を出し場を和ませていた。一方で、セリフや演出に感じた小さな違和感は見逃さない。「結ならどうするか」を徹底的に考え、自分に落とし込む。物怖じせずにスタッフにセリフの変更を提案する姿が印象的だった。
また姉・歩を演じる仲里依紗のことが「元々大好き」だったという橋本。しかし役の関係性上、二人は同じ空間に居ても目すら合わせず全く話さない。徹底的な役作りが垣間見えた瞬間だった。
総合演出・野田雄介氏が「僕らが思う“米田結”像に届くのが早い」と話すほど、橋本は誰よりも結のことを理解している。台本に書かれていることをそのまま「やっている」のではなく、結として「どう思うか」に丁寧に向き合っているのだ。だからこそ、私たちも橋本と結の解離を感じることなく自然に受け取ることができる。それがきっと結への“納得感”につながっているのだろう。
第15週の予告には母になった結の姿があった。橋本は人生で初めて母親役に挑むことになる。橋本はどんな表情で、声で、感情で結を表現していくのか。「プロフェッショナルとは、職人であること」と答えた橋本の職人魂を、しっかりと受け取りながら視聴したい。
【あわせて読む】橋本環奈、朝ドラ"バチバチ同級生"たちとの仲良しオフショットが癒やしすぎると話題
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