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高良健吾「生きることはかっこいい、そして美しい」

Entame Plex / 2015年2月10日 10時45分

――見ている側としては、その両軸が交わる中ですごく共感できる部分もあり、一方で不安になるというか、気持ちを揺さぶられました。
「なりますよね。でも、そういった中でも僕はブレずにいないと母の言葉も活きないんです。“あなたの目にはどう映りましたか”、その言葉が僕の中でも一番響いたので。だから、とにかくブレないことが重要でした」

――以前、今作の完成披露記者会見で“静人は運命的な役”と言っていましたが、それはどういった部分で?
「10代後半から20代前半にかけて、殺す、殺される、自分から命を捨てる、そういった役が多かったんです。プライベートでそういった状況になったわけではなく、(役者として)自らそこに足をつっこまないといけなかった。だから、人はどうして人を殺してしまうのか、どうして命を捨ててしまうのか、そういったことを常に考えていたんです。でも、僕はそれが本当にしんどくて、もう辞めたい、こんな役やりたくないと思ったときもある。『ソラニン』で死んで、翌日は『ノルウェイの森』で自殺する、2日連続で死んだりしたこともあった。だけど、いろいろな役を通じてもなお、死ぬことってわからないなと思ったんです」

――たとえ役だとしても、死ぬとなるとやっぱり気持ち的にはイヤなものですか?
「以前不思議なことがあって。25歳の誕生日の前日に死ぬシーンを撮る予定だったんですが、大雨で翌日に延期になり誕生日に死んだんです。そのときになんとなく“25年前に生まれて、今日役で死んでるな”と不思議な感じでした。しかも、その映画は『千年の愉楽』で、生まれて死んで、生まれて死んで、というのがテーマの作品だったんです。だから、役では死んだとしても“俺、また蘇るわ”と思って。そういった経験ができたことは大きかったと思います。誕生日に死ぬ役をやらないと絶対感じることのできない感覚ですしね。そういうのも何かの縁だと思うし、普段感じることのできない感情をもらえる。役者として死ぬことを演じるのも悪いことばかりではないなと思いました」



――でも、今回はそういった感覚とはまた違ったところに、死に対する様々な思いがありますよね。
「以前読んだ本に、人間は誰しも一度は死にたいと思うと書いてあったんです。それはすごくわかるし、でもそれを選ばないから人は美しいと思うんです。僕は静人が好きな理由として、彼は旅の1年目は死に向かい過ぎて辛かったんです。では、どうしたら辛くなくなるか、それは死んだ人が誰かに愛され、誰を愛して、誰に感謝されたかを覚えておくこと、それで静人は死に向き合えたと思う。彼は辛いことがあっても死を選ばなかった。誰でも必ず死にますけど、それまで生きることがかっこいいというか、美しいなと思います」

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