YOSHIKI「この数日間、映画みたいだった」

12月30日香港Asia World-Expoにて、現地の大手プロモーター：Puffin Entertainmentによる興行ライセンスの申請不備の為に前日キャンセルとなった「YOSHIKI Classical Special with Orchestra-HONG KONG」の歴史的な振り替え無料ライブが決行された。

前日の29日に開催予定だった同公演は急遽中止が発表されたものの、YOSHIKIが会場側と交渉し当日に記者会見を決行。プロモーターの申請不備の為に興行を行うことができず、チケットプライスは約8000円～約19000円だったが、興行申請には数週間以上かかる為、5000枚すべて購入者への払い戻しを行った上で、海外からも来ているファンの気持ちを考慮し同会場にてチケット購入者を対象に完全無料ライブを行った。



ステージのMCでは、問題の張本人であるプロモーターに対して「決して意図的にミスした訳ではない。ここまでプロモーターも頑張ってきてくれた」と言うなど、本来であれば非難する相手をファンに対してもフォローした。

この日会場に集まったファンは実に6,000人に達した為に多少のステージプランの変更もあった。迷惑をかけてしまったファンの為に、チケット毎に同伴ゲストを１名追加招待してもいいという案は、ファン思いのYOSHIKIらしいアイデアだった。観客の中には有名女優や政府高官などのVIPも多く訪れ、皆今回のYOSHIKIの前代未聞の行動に賛辞を贈っていた。

無料のライブといってももちろん簡易的なものではなく、当初のコンサート通り演奏予定だった曲目すべてを披露。香港の有名バンド“Beyond”の楽曲「Hoi Fut Tin Hung」をオーケストラと共にサプライズ披露すると、会場は終始大歓声と涙に包まれた。



公演のラストの曲となる「ENDLESS RAIN」では今までの各国で行われた公演に勝る大合唱になった。途中のMCでは、「今日は X JAPAN のメンバーが自分抜きで紅白のリハーサルを頑張ってくれた」と、本来ならば自分も参加予定だったこの日のスケジュールにも言及。「明日の今頃は紅白に出演している頃だ。香港からも見てね！」と、次に待つ日本での大イベントが、早くも頭をよぎっている様子も見られた。

クラシックコンサートらしからぬ熱気を帯びた会場の鳴り止まない拍手に、あらためてファンとの絆がいかに強く固い物だったかを感じる事ができた一夜であった。終演後は、前日に続きYOSHIKI CHANNELに出演。終始笑顔のYOSHIKIは、無事公演が終わった事にほっとした表情。「この数日間、映画みたいだった」と本人が言うほど、正直一筋縄ではいかなかっただろう。