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中谷美紀インタビュー「あきらめたのは20代の頃」

Entame Plex / 2017年3月8日 8時0分

「光の操り方が極上で、まるで魔術師みたいだなと。それが説教くさくなく心にすっと入ってくるのがすばらしいです。観客を強引に導くのではなくて、俯瞰した目線でそっと背中を押してくれるような懐の深さを感じます」

――マリックの作品の中でお気に入りのものはありますか?

「それはやっぱり『ボヤージュ・オブ・タイム』(笑)。『トゥ・ザ・ワンダー』も素敵でしたよね。でも彼の根底にあるテーマは全て変わっていないような……。移ろいゆくものを嘆きながら、しかしそれを受け入れるしかないというか」

――この映画はどんなスタンスで見ると良いでしょうか?

「深く考えようと思えば終わりのない問いの中で何時間でも考え続けられる映画ですよね。でも、何も考えず美しい映像を楽しむこともできる。子どもと一緒にご覧いただくと、全く違う感想が出てきて面白いかもしれません。案外、子どもからの視点でハッとさせられることもあるかもしれませんね」

――先ほど、映画の感想として「いずれは終末を迎える」との話が出ましたが、中谷さんにとって終末に向かう人生とはどのようなものですか?

「清濁あわせ持つ、といった感じでしょうか(笑)。醜いものにふたをしても仕方がないので。美しいものが好きなだけに醜いものの存在も受け入れなければいけないのかな、と」

――醜いものとは?

「人間って善も悪も共に心の中にあるものだと思うので。自分の中の小さな悪魔が動き出してきたとき『それも自分なんだ』と認めてあげることも大事なのではないかと。今では良くても浮かれ過ぎず、悪くても落ち込み過ぎない。つまらない人生なのかもしれないですけど(笑)」

――その考えに至ったのはいつ頃でしょうか?

「あきらめたのは20代の頃です。それを思い知らされる体験があって……」



――諸行無常というか、マリックの世界観に近い印象を受けます。

「地球が爆発する瞬間って、ものの2秒で全て無に帰ると聞きました。もちろん、その瞬間に立ち会うことはできないでしょうけど、聖書の黙示録で言われるような苦しみはなく、あっというまになくなってしまう。ちょっと味わってみたいですね」

――では終末まで描かれる『ボヤージュ・オブ・タイム』を観て……。

「どこかホッとした部分はあります(笑)。自分の人生観が間違っているわけじゃないんだって」



映画『ボヤージュ・オブ・タイム』は、3月10日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国ロードショー!

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