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BUCK-TICK、デビュー30周年ツアー完遂!

Entame Plex / 2017年12月31日 12時0分



中盤は、ベスト盤リリース時に行われたファン投票で1位を獲得したレア曲「ノクターン –Rain Song–」と「サファイア」の2曲を披露。印象的だったのは、高い位置に設置されていたスクリーンに映し出される映像の美しさ。青や紫の照明がそぼ降る雨を表現していた「ノクターン –Rain Song–」がセピア色に加工されていたり、「サファイア」では映像を重ねていたりと、ステージ上で展開される世界観とはまた違うストーリーを、画面の中で生み出していた。



そして、本編一番のハイライトは、ツアー中の11月にリリースされた新曲「BABEL」だ。ヤガミ・トール(Drums)、樋口豊(Bass)の地を打つような重厚なリズムと、今井、星野英彦(Guitar)のツインギターが奏でる荘厳なメロディ、天を仰ぎながら低音を響かせる櫻井のヴォーカル。曲が進むにつれ、内から沸々と感情が沸き上がり、歌い終わりのクライマックスで爆発する。その衝撃は、バベルさながら雷に打たれたようだ。新曲ながらその存在感は圧倒的だった。終盤は、欲望をさらけ出した「BOY septem peccata mortalia」、アコースティックナンバーの「Coyote」など、多彩なナンバーを畳み掛け、本編ラストは〈ここにいる子供たちへ〉と「COSMOS」を熱唱。エンディングの大合唱に“今夜も素敵な歌をどうもありがとう”と笑顔を見せ、ステージを後にした。



アンコールの大歓声に応え、再びステージに登場したメンバー。疾走感あふれる「MACHINE –Remodel-」の後、「聞こえますか? パパ、ママ」と囁く櫻井の声が、一気にBUCK-TICKの深遠の世界へと引き込んだ。「無題」では、床に這いつくばり、内なる声を絞り出す櫻井と、ギターを弾きながらその周りを回る今井の対照的なパフォーマンスが悲痛さをより増幅させていたし、時折天を仰ぎながら歌った「愛の葬列」では、ステージに立ちこめるスモークのように、今にも消えてなくなりそうな儚さを感じた。そして二度目のアンコールでは30年前にリリースした1stアルバムの中から思い入れ深い「ILLUSION」「MY EYES & YOUR EYES」などを披露。その後のメンバー紹介では、一人一人に向けられた大歓声に〈幸せですね。ありがとう〉と照れた表情を見せる場面も。そして明日の“キミの世界”が光り輝くようにと、「NEW WORLD –beginning–」を力強く歌い、ステージを締め括った。そこに広がる充実感と多幸感は間違いなくすべてを包み込んでいて、普段あまり言葉を発しない今井が〈最高でした。ありがとう。バイバイ!〉と感情を少し表に出したほど。その思いがけない言葉に、会場は再び感動に包まれた。



終演後、スクリーンにツアーのライヴ映像が流れた後、2018年2月21日(水)ニューシングル「Moon さよならを教えて」、3月14日(水)ニューアルバム『No.0』のリリースと、3月31日(土)神奈川・よこすか芸術劇場を皮切りに約4ヶ月にわたる全国ツアー、そして12月29日(土)日本武道館公演の開催が発表された。

Photo by 田中聖太郎写真事務所

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