見る前に跳べ~ギークの工夫で社会を変えよう―及川卓也氏がデブサミで講演

EnterpriseZine / 2012年2月27日 7時5分

図:ローンチ&イテレート

昨年開催された「Developers Summit 2011」(通称、デブサミ)にてベストスピーカー賞に選ばれたHack For Japanの及川卓也氏が、10回目を迎える今回の「Developers Summit 2012」で初日2月16日の講演に登壇した。今回及川氏は「見る前に跳べ~ギークの工夫で社会を変えよう~」というテーマで講演し、満員の聴講者を引きつけた。

■過去の開発スタイルと現在の開発スタイル

 講演の冒頭で及川氏が取り上げたのは、フェイスブックのIPO時に話題となった同社CEO、マーク・ザッカーバーグ氏の「Done is better than perfect(完璧を目指すよりまず終わらせろ)」という言葉だ。及川氏は、「これこそが今のソフトウェアサービスの開発の源だ」と話す。
Hack For Japan、グーグル エンジニアリング シニアエンジニアリングマネージャ  及川 卓也氏

 及川氏は、従来のパッケージソフトやレガシーシステムと、現在主流となりつつあるクラウドベースのサービスとの違いについて、同氏がマイクロソフトに勤務していた当時を振り返り、「パッケージソフトでは、デプロイや配布のためのコストが大きく、一度流通させたものをリコールすることはありえないことだった。そのため、製品を流通させるには完成度を高くすることが求められた。Windows Vistaの開発に5年を費やしたのもそのためだ」と述べる。

 それがクラウドサービスだと「例えば翻訳のちょっとした間違いなどはすぐに修正できる。ソフトウェアの更新も、配布コストはゼロに近い」(及川氏)。つまり、パッケージソフトはリリースするまで非常に時間をかけて確認作業をし、リリースすれば一段落となるが、クラウドではまずサービスをいち早くリリースし、リリース後も常に改良を重ねていく方法がとられるのだという。
図:ローンチ&イテレート

 「どちらの開発においても、計画、設計、実装、安定、リリースという工程を繰り返すが、パッケージソフトの場合とクラウドサービスでは期間の長さが全く違う。パッケージは大きな階段のステップを一つひとつ上るイメージだが、クラウドは小さなステップを少しずつ上る。階段の段差は非常に小さいが、クラウドサービスは日々進化していくのだ」(及川氏)。

■プロダクトアウトとマーケットインの組み合わせ

 パッケージとクラウドでリリースまでの時間に差があることは分かったが、開発の考え方として、開発者側がいいと思うものを提供する「プロダクトアウト」と、市場調査などで消費者の声に耳を傾けた上で提供する「マーケットイン」という考えがあるのはどの世界でも変わらない。及川氏はこの2つの考えに一長一短があると話す。

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