【Excelデータ分析講座】2-3標準偏差と標準正規分布関数による発注点計画~統計関数編

EnterpriseZine / 2012年4月13日 7時0分

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この連載の第1回で標準偏差と標準正規分布から導き出される累積確率により、品切れを防ぐための在庫量が計算できることを説明しました。これと同じ考え方で、より複雑なケースを扱うのが発注点計画です。発注点計画では、単一の日の在庫だけを考えるのではなく、発注から入庫までに要する期間、すなわち発注リードタイムを考慮にいれる必要があります。今回はSTDEV関数とNORMSINV関数を利用した発注点計画を行ってみます。

■発注点とは

 発注点とは、あらかじめ定められた在庫水準のことです。この在庫量より少なくなったタイミングで発注を行います。つまり、発注タイミングの目安となる在庫量です。発注点は、一般的に以下の計算式で求められます。

 発注してから納入までの期間である発注リードタイム中に予想される販売数量の合計に、日別の販売数量のばらつきをカバーするための安全在庫数量を加えたものが、発注点となります。発注点、発注リードタイム、安全在庫の関係を図であらわすと以下のような図になります。

 安全在庫とは、販売計画どおりにいかなかった場合(特に計画値よりも需要が多かった場合)、品切れによる機会損失を起こさないように、あらかじめ余裕を持たせる在庫のことです。安全在庫は、一般的に以下の計算式で求められます。

 この計算式で使用される安全係数をいくつにするかは、欠品率をどのくらい許容するか、あるいは、サービス率をどこまで保障するかで決まります。サービス率とは、受注数のうち欠品を起こさず納品できる割合のことをいい、欠品率は、反対に「1 - サービス率」で表わされます。販売数量が正規分布に従っていると仮定すると、サービス率は標準正規分布における累積確率、安全係数はその累積確率を満たす確率変数の値となりますので、安全係数の計算にはNORMSINV関数を利用します。

 1日の販売数量のばらつきを表す数値としては標準偏差を使用します。標準偏差の計算にはSTDEV関数を利用します。

 発注リードタイムがそのままの日数ではなく平方根で掛け算されているのは、その前にある標準偏差が1日単位で計算されているためです。標準偏差の計算のもととなる期間(1日)より予測する期間(リードタイム)が長くなる場合、予測する期間の標準偏差は単純に比例して大きくなるのではなく、期間の平方根に比例するという統計学上のルールがあります。


平井 明夫[著]

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