InnoDBのプロは寡黙な紳士―木下靖文さん

EnterpriseZine / 2012年11月7日 0時0分

2011年4月にO'Reilly MySQL Conference Community Awards 2011の「Contributor of the Year」、2012年には日本OSS推進フォーラムの「第7回 日本OSS奨励賞」を受賞。この人こそ、今回の「DBプロ」である木下靖文さんである。黙々とInnoDBの性能改善について取り組み、静かに語る。そんなイメージの木下さんがどのようにここまで来たのか。これまでの軌跡をたどってみよう。

■InnoDBに惚れ込んで

  「第7回 日本OSS奨励賞」の受賞理由について木下さんはこう説明してくれた。

 「2010年末にリリースされたMySQL 5.5(GA)からInnoDB-Plugin がデフォルトの InnoDB になりました。それまでは、性能改善の開発版という形で従来のInnoDBとは別にInnoDB-Pluginとしてソースコードに含まれていて、性能改善はこのInnoDB-Pluginを対象に行われてきました。5.5 になってそれまで議論された性能改善の成果が一気に一般ユーザーも享受するところとなりました。なので、このタイミングで評価を受けたのだと思います」

 デフォルトストレージエンジンの変更はInnoDB以外を使っていたユーザーには性能改善でインパクトがある変化だったそうだ。そして「Contributor of the Year」受賞をうけ、OSS奨励賞にもつながったという。しかし木下さんは「貢献は業務の一環でもあるので、もっとボランティアで活動している人が受賞するべきではないか」と、一時はOSS奨励賞を辞退することも考えていた。それほど謙虚な人だ。

 まずは入社時までさかのぼる。最初は大手SIerでデータベースとは全く無縁のプロジェクトに配属された。2001年に再配属があり、ここからデータベースと接点が生まれた。データベースの知識はゼロだったから、ORACLE MASTERの勉強を通じてデータベースを学ぶこともあったという。当初は技術支援や製品調査などをしていたそうだ。

 カタログから○×表で比較だなんて、もってのほかである。木下さんはきちんとベンチマークで比較する。そのベンチマークですら自作した。木下さんは「TPCのサイトには仕様が公開されています。そこからデータベースに負荷をかけるソフトウェアを開発しました」とさらりと話す。もともと性能に関して熱心だった。ベンチマークのソフトを開発したことも、その経験を自社が手がけるデータベースシステムの性能改善につながると考えたからだ。

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