ユーザー事例から遠く離れて

EnterpriseZine / 2012年11月12日 0時0分

データベース業界に、IT業界にいる皆さんなら、一度は読むか書くか出るか出てもらうかしたことがあるであろう、「ユーザー事例」。みんな大好きユーザー事例。しかし、このユーザー事例というのは、いったい、誰のために、何のためにあるのでしょうか。

 ―今日のテーマは「ユーザー事例」です。我々メディアもよく制作したりしますね。みなさん、好きですよね、ユーザー事例。みなさんというのは、メディアの人間の私はユーザーというより、ベンダーのみなさん、という意味ですが。

 北川:まず、ユーザーさんとしては投資をするので、よりよいものを買いたいという気持ちがあるわけですね。なんですけど、データベースにいいとかわるいとか、どちらが「優れているか」っていう優劣をつけるのは、むずかしいですよね。

 ―悪いデータベースなんてない!みたいな感じでしょうか。

 北川:たとえば、ある一社のデータベースが優れているといった場合、それは、ある基準を前提にした場合にのみ有効なんですよね。そして、その判断基準って、よく話をきいてみないとわからないもの。というか、ユーザー自身がよくわかっていないことがある。そうなると営業力なんですよ。x社も使っている。y社も使っている・・・

 ―そこで出てくるのが事例である、と。

 北川:事例。事例。事例。事例。なんでこんなにみんな事例が好きなんだ?と思いますね。ユーザー事例って、お客さんが選択した結果に過ぎない。どういう基準で、何で決断したかは個別具体じゃないですか。よく話になるのが、とても根源的な問題。つまり、「安心したい」という気持ちです。AかBの選択を迫られる。アカウンタビリティが発生する。Aを選んでトラブルが起きたとしましょう。そのとき、あそこもつかってる、ここも使ってる、とくれば、「うちは運が悪かった」で済む。どこもつかってなかったら、「なんでどこもつかってなかったのを使うんだよ!」となる。

 ―そういうものを担保するための事例なんですか?

 北川:もちろん、それだけじゃないですよ。事例として出せるいうことは、ユーザーと密なコミュニケーションが取れていることの表れ。良好な関係が持てるベンダー。それを見せたいという気持ちがある。それはわかるんです。でも、すべてシナリオ通りでしょう。

 ―まあ、そうですよね。作りこんでいく感じですよね。

 北川:話すことも決まっている。安心したい。安心させたい。口コミ文化ですよ。自社のシステムはこんなよかったってほめてる。いいエクスペリエンスがあったと思わせる。

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