ラグビー日本代表のデータ分析力、「勝つための戦略」はこうして作られる!

EnterpriseZine / 2013年2月4日 0時0分

操作画面を説明するプライヤーさん

パスはボールを前には投げてはいけない、時には脳震とうで倒れてしまうくらいの激しいタックル、素人目には中で何が行われているのかさっぱり分からないスクラム。これらはもちろんラグビーのことだ。大きな選手が激しくぶつかり合う姿を見ていると、パワー、スピード、そして根性や精神力という言葉が似合いそうなスポーツだ。ところがそんなラグビーに、かなり印象とは異なる部分が出てきている。勝利を得るためにもっとも重要なのは、身体の大きさや体力、スピードといった個々の選手の身体能力だろう。それに加え選手は、広い視野を持ち、効率的に自分たちに有利なスペースの確保が試合中は常に求められる。また、いかにボール支配率を優位に導くかも重要で、かなり頭を使うスポーツでもある。それらを踏まえた上で各選手のスキルアップを含めた「勝つための戦略」を立てなければならない。そのラグビーの戦略に、データが活用し始めているのだ。以前にもDB Onlineで少し取りあげたが、選手はいま小さなGPS端末を装着し練習や試合を行っている。そこから得られるかなり細かいデータを収集し、それを選手の体力、スキルアップ、そして戦術に活用しているのだ。どのようなデータを収集し、どう活用しているのか。その詳細について、ラグビー日本代表のストレングス&コンディショニングコーディネーター ジョン・プライヤー氏に話を聞くことができた。

■日本のラグビーを取り巻く状況の変化

 ラグビーにおけるデータ活用の話に入る前に、まずはここ最近の日本のラグビー状況とラグビー日本代表について触れておく。現在、国内最高レベルの試合は、企業チームが参加している「ジャパンラグビートップリーグ」と呼ばれるリーグ戦だ。トップリーグではプロ契約の選手もいるが、多くは企業に社員として所属しアマチュアとして競技を行っている。トップリーグは現在14チーム(来シーズンからは2チーム増え16チームに)、2012-2013シーズンのベスト4は、サントリーサンゴリアス、東芝ブレイブルーパス、パナソニックワイルドナイツ、神戸製鋼コベルコスティーラーズという4チームだ。トップリーグの下には各地域リーグがあり、トップリーグへの昇格を目指す構図になっている。トップリーグは、9月の初旬に開幕し翌年1月には優勝が決まる。

 これに加え、大学ラグビーがある。関東は対抗戦、リーグ戦という2つの1部リーグがあり、関西リーグ、さらに各地域リーグの上位チームが集い、大学日本1を決める「大学選手権」が行われる(大学選手権の仕組みはここ最近毎年のように変化している)。大学はトップリーグよりもある意味人気は高く、早稲田大学と明治大学が闘う早明戦などはいまだ多くの観客を集めている。

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