先駆的企業の実践者に学ぶ「スクラム組織導入入門」-NTTデータ、NECビッグローブ、バンダイナムコスタジオ、ヤフーのスクラム導入

EnterpriseZine / 2013年1月22日 17時15分

モデレータを務めた高橋 一貴氏

自らの組織の中でスクラムを実践し、組織文化として根付かせるためにできることは何か。1月15日~16日に開催した「Scrum Alliance Regional Gathering Tokyo 2013」の中で、すでにスクラムを実践し、組織に浸透させるために奮闘している四氏が、実際に行っている働きかけ方のコツや考え方などを紹介した。

■コンテキスト重視で上層部を説得

 はじめに登壇したのは、株式会社NTTデータでR&Dスペシャリスト/プロジェクトマネージャを務める柴山洋徳氏。新しい仕組みや技術を組織に取り込むというミッションのもと、組織変革コンサルティングとして、スクラムについても積極的な導入支援を行っている。若手リーダー層を対象にしたアジャイル開発の研修や、実経験を踏まえて実践する“場”づくり。また、11月には楽天と共同での人材育成を目的としたパートナーシップを結んでいる。

 柴山氏はスクラムを実践する上での課題として、スクラム内での変更権限の難しさを上げる。従来型のプロジェクトマネジメントは、「スクープ(目的)」を変更不可の項目として「時間」と「リソース(コストなど)」を調整するが、アジャイルでは逆に「時間」と「リソース」を固定し、「スクープ」調整してバランスを取る。アジャイルの「自己組織化チーム」では自らコントロールすることが必須だが、多くの組織で「スクープ」を現場が変更できるケースは稀である。柴山氏は「権限譲渡こそがスクラムの全体化に必要であり、組織改革が不可欠。それを遂行する強力なリーダーシップが求められている」と力説した。

 当然ながら、スクラムが自分の組織に合っているかどうかを検証するには「ボトムアップ」、組織に浸透させるためには「トップダウン」の手法こそが有効となる。その際に、経営層へスクラムの有効性を訴求するためのコミュニケーションとして「ゴールデンサークル」が紹介された。特にエンジニアに多いが「ソリューション(What)→コンテキスト(How)→ビジョン(Why)」の順で話をしがちだ。しかし、それでは上層部には響かない。ビジョンから語り、その実現のためのコンテキストを語るというように、コミュニケーションの手法を変更する必要がある。

 とはいえ、決して説得力だけが、上層部を動かすわけではない。上層部の決定はTPOに大きく左右され、有用性を理解してもらえても通らないこともある。決して腐らず、時機を見定めることが大切だ。また、組織内の発言力を高めるための「信頼貯金」やスモールスタートで始め、必ず成功させること、細やかな「コツ」が語られた。

伊藤真美[著]、EnterpriseZine編集部[編]

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