複雑性を増すグローバル化では、リスクの質が変容する-「3つのリスク」と新たなガバナンス体制

EnterpriseZine / 2013年3月18日 8時0分

前回は、企業のグローバル化に伴い、金融取引のグローバル化が質を変えて進展する様子を中心に解説しながら、「現地化」「グローバルでの共通ルール」「リスクの増大」と「新たなガバナンス構築」の必要性を解説しました。今回の記事では、質を変え複雑化するグローバル化において、どのようなリスクがあり、そのリスクに対してどのようなガバナンス体制を構築すべきかを解説します。(今までの連載は、こちら

■「複雑性を増すグローバル化」とリスクの変容-今までと違う「気候変動」、「テロ対応」

 グローバル化は、我々が考えていた以上に複雑性を増しながら速度を上げています。この環境変化に伴って発生するリスクを想定し、適切に対応できるガバナンス体制を構築することが、企業経営にとって、当然のようにやらなければならないことになってきています。

 海外市場への参入に関して、一般的に言われてきた主なリスクとしては、以下のようなものがあります。
カントリー・リスク:政治・経済・社会などの環境変化に起因して事業を毀損するリスク
マーケット(市場)・リスク:為替市場、株式市場、金利市場等、資金の調達・運用に関するリスク
事業リスク:商品・サービスの価格、品質、製造コストが国や地域と整合しないことにより、利益が獲得できないリスク

 ビジネスのグローバル化が大規模に展開されることに伴い、上記の1から3は互いに深く関連するようになっています。また、市場全体がグローバルにリンクしているため、一つの国や地域で起きたことが、他の国や地域に与える影響が、従来よりも大きくなってきているように思われます。

 海外で事業を行うためには、リスクの分析と対応策の検討が必要となりますが、「一般的なリスク分析」を行うのではなく、自社の事業の特徴を十分に理解したうえでの検討が必要です。また、こういった作業は一時的に行うものではなく、日常的にモニタリングすることが必要ではないでしょうか。以下、最近のトレンドと思われるリスクについて見て行きたいと思います。

●1.カントリー・リスク

 元々は、政変や海外企業に対する規制等に基づくものが主でした。しかしながら、政情や経済が安定してきた国が増える中、昨今はそれに輪をかけて、以下のようなリスクにも気を配る必要が出てきました。

自然災害

 「グローバル・ウォーミング」が、各地域に与える影響が少しずつ大きくなっています。「温暖化」と表現されていますが、実際には、気象変動が大きくなっていることに伴うリスクを考える必要が出てきました。たとえば、寒冷気候、豪雨やタイフーンなどにより、大きな被害をもたらす危険性はないのか、という点です。

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