データベースに携わることは人類に貢献するということ―データベース界のラスボス登場!―喜連川優教授

EnterpriseZine / 2013年3月18日 0時0分

cap

DBエンジニアを中心に取材を重ねてきた本コーナー。今回登場するのは日本、否、世界のデータベース界のラスボスと呼んでも過言ではない、おなじみ喜連川優教授。喜連川教授といえば、超巨大データベースに関する研究。これは、内閣府の最先端研究開発支援プログラムで採択された課題の中で、唯一IT分野からのプロジェクトである。研究者の立場でずっとデータベースに携わってきた喜連川教授は「ビッグデータ」という言葉が出る前からビッグデータを研究している。時折「スモールデータで何が悪いねん」「なんぎなもんですわ」と関西弁でユーモアを交えながら話してくれる、喜連川教授のデータベース観をうかがった。

■亜流だったコンピュータを選んだ理由は?

 「喜連川といえばデータベース。ずーっとデータベースをやってきました」とデータベース一筋の喜連川先生。その出発点を探ろうと、専攻を選んだ当時を尋ねようとすると「いまより悲惨でしたよ」と言う。

 当時コンピュータに関係する学科となると「Electrical Engineering」で、主流は通信だった。中学生のころ「“体育館一面に並ぶコンピュータと書いた記事”を新聞で目にした」という世代である。人工知能や仮想現実などまだまだ先のこと。当時はコンピュータを専門にしようとすること自体が亜流だった。「未来がどれだけあるか分からない」―当時はそのくらい注目度や期待が薄いという意味で「悲惨」だそうだ。

 そんなに不確実なものを選んだのはなぜかと尋ねた。先生は「人生、思い通りになるものは少ないですから」と話し始めた。

 「ぼくは車の運転が下手でね。車は“こうやって動かす”と分かっていても、雨が降ったら滑ったりするわけですよ。機械も化学も思った通りに動かないことがある。しかしコンピュータは正しいプログラムさえ書けば正しく動く。まだ当時はそんなに大きなプログラムはなかったですけどね。何よりも裏切らない。“平和”な気がしました」

 ・・・ちょっと不器用なところもあるらしい。

 亜流、そして未知の世界。データベースの道案内となったのはクリス・デイト(Christopher J. Date)の書籍だった。デイトはリレーショナルデータベース解説ではわかりやすさで定評があり、なかでも「An Introduction to Database Systems」は多くの大学で教科書として採用されている。日本では訳書として「データベースシステム概論」が出ている。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
EnterpriseZine

トピックスRSS

ランキング