顧客を育て離さない「つながり方」-価値提案にもなる顧客リレーションシップとは?

EnterpriseZine / 2013年5月9日 8時0分

図表11.顧客リレーションシップの定義手順    

前回は、顧客インターフェースの2つ目の要素である「チャネル」についてお話ししました。今回は、3つ目の要素である「顧客リレーションシップ」についてご説明していきましょう。過去の連載は、こちらから。

■サンタクロースは“心をつたって”入ってくる?

 「サンタクロースが煙突から入ってくると思っている人は誤解している。本当は心をつたって入って来るんだよ。」(ポール・M・エル)

 顧客に接し、価値を届けるためのチャネル(煙突)はもちろん重要ですが、顧客とさらなる良い関係を維持していくために必要とされるものがあります。それが、今回のテーマである「顧客リレーションシップ」です。「チャネル」が顧客との物理的な接点だとすれば、「顧客リレーションシップ」は、精神的な繋がりといえるでしょう。

 今回の論点を整理しておきましょう(図1)。

●「マーケットシェア」よりも「顧客の財布シェア」

 最初に、顧客リレーションシップとその属性を定義しておきます(図2)。

 顧客をマーケティングの中心に置くという考えが浸透してきたのは1990年代のことで、それ以前はプロダクトを中心としたマーケティングの時代でした。顧客リレーションシップは、顧客を中心とするマーケティング活動の中核的な概念で、顧客を重要な企業資産(顧客エクイティ)として扱います。

 「プロダクトを中心とするマーケティング」が、プロダクトライフサイクルとプロダクトラインからの利益を最大化することを求められるのと同様に、「顧客を中心とするマーケティング」は顧客ライフサイクル(図3)とターゲット顧客の価値を最大化することを狙いとします。

 企業資産としての顧客エクイティを最大化するためには、新規顧客をリピート購買してもらえるコア顧客に育て上げ、コア顧客となってくれている期間を少しでも長く維持することが重要です。つまり、ターゲット顧客を中心に据えたマーケティング活動においては、「マーケットシェア拡大」よりも「顧客の財布シェア拡大」により大きな焦点を当てることになります。

 顧客リレーションシップの属性である顧客エクイティは、顧客獲得、顧客維持、追加販売という3つのステージから構成され(図4)、これらに関するマーケティング活動のバランスを適切に管理していくことが「顧客生涯価値(特定顧客との取引を通じて生み出される利益総額の現在価値)」の最大化」に結び付きます。

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