なぜイノベーションは難しいのか-事業アイデアがビジネス化しない要因は「組織」にある

EnterpriseZine / 2013年6月17日 8時0分

図表2.イノベーションの黒字化までの時間を織り込む

これまで日本のハイテク企業のイノベーション促進の観点から、マネジメントの課題と、ビッグデータ活用の課題について検討をしてきました。イノベーションで成果を出すには、いかに実行し、改善するかであるということを述べてきましたが、今回は特に組織的なテーマについて検討をしていきます。今までの連載はこちら

■体制据え置きで進まない新規事業-ビジネスプランで見落としがちな“営業の工数問題”

 ベイカレント・コンサルティングでは、日本のハイテク企業のイノベーションのさまざまなフェーズに関する支援をさせていただいています。

 企業にとって「イノベーションを生み」、「ビジネスでの成果」につなげるまでには、さまざまな困難が伴います。一般的にイノベーションの最大の難関は、いかにして独創的なアイデアを生むかにあるというイメージを持つ方が多いかもしれません。

 日本のハイテク企業に関しては、そうではないことが多く、むしろアイデア創造後、ビジネス化するまでのプロセスに大きな課題があります。課題は突き詰めると、社内にその要因が存在することが多いのです。

 特に多くの企業でみられるのが、「体制据え置き病」、「待てない病」です。これは、イノベーションをビジネス化するにあたっての営業部門、管理部門に関する課題です。イノベーションを支援するプロジェクトを通じて分かったこれらの課題の原因について説明し、最後にこれらを乗り越えイノベーションをビジネスにするための組織のあり方についての提言を行います。

 (この記事では、BtoBあるいはBtoBtoCビジネスを想定したものに限定していますが、BtoCビジネスにおいても、同様の体制の課題が存在すると考えられます。)

●体制据え置きで“営業スキル”は十分か?

 イノベーションのアイデアをビジネス化しようとする「初期フェーズ」では、多くの企業で極めて少人数の企画チームを構成し、ビジネスモデリングを行います。続く「実行フェーズ」で営業活動を開始する際、企画メンバーがそのままスライドする形で営業メンバーとして動き出すケースが少なくありません。

 ビジネスに対するオーナーシップを持ったメンバーであり、企画段階から内容を理解しているメンバーが営業活動を行うことは一見合理的に見えます。しかし、企画能力に優れたビジネスパーソンが営業能力も兼ね備えているケースは実はそう多くなく、営業スキル面で不足したプランニングになってしまいがちです。

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