動き出した日本の大企業、鍵を握るのは組織の枠に収まらない「半沢直樹」達の活用(後編)

EnterpriseZine / 2013年8月26日 7時0分

 「動きが遅い」と思われがちな日本の大企業が、モバイルやビッグデータ、クラウドなどを活用し、「いかにして動き出したのか?」「いかにして組織の壁を超えたのか?」をテーマに、日本企業の「リアル」に迫った『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』。同書を先月7月に上梓したばかりのITビジネスアナリストの大元隆志氏に、第四章(「新たな価値」を生み出すために必要な組織)の内容の一部を特別に寄稿いただきました。トヨタ、ソフトバンク、日テレ、凸版、良品計画、CCC、Yahoo!といった業界を代表する日本企業の取材を通して見えてきた、「新たな価値」を生み出すために必要な組織のあり方とは?(前編はこちら

 前回は、スマートデバイスやソーシャルメディア等の「4+1の力」が登場したことで、企業を取り巻く外部要因と内部要因が大きく変化していることを解説しました。今回はこれらのテクノロジーを企業の中で活用するために、重要な視点、これらの力を活用できる組織とは、一体どういったものなのかという点について解説します。なお、ここで解説する見解は日本テレビ、凸版印刷等のボトムアップで企業に変革をもたらすことに成功した企業へのインタビューを通して導き出したものです。

 「4+1の力」(クラウド、モバイル、ソーシャル、ビッグデータ+モノのインターネット)は単純に技術だけを採用しても機能しません。社内ソーシャルメディアの仕組みを導入したとしても、誰もつぶやかなければ活かすことはできません。スマートデバイスもワークスタイルの変革のためにiPadを導入したところで、持ち歩くだけでは何も変わらないのです。

 これらの技術を活用するために「フラットな組織」の必要性を説く人が多いようです。少し簡単に組織構造論の変化を見てみましょう。

■ピラミッド、フラット、ハイブリッド型組織

 トップがいて中間管理職が部門を束ね、一般職員がいる。日本のみならず世界の多くの国で採用されている「ピラミッド型」の組織構造です。この構造は既存の企業活動には有効に機能します。現場が既存の顧客基盤から来期の予算をヒアリングし、その情報を収集して、トップが来期経営方針を定める。トップの考えた組織内の規則や手続きが徹底され、軌道にのった企業では理に適った無駄のない経営です。日本では戦後から高度経済成長期にかけてピラミッド型組織が定着しました。

 1980~90年代にかけて大量消費の時代が終焉に向かうと、ピラミッド型組織の課題が露呈するようになりました。少量多品種生産の時代に入り、顧客ニーズの高度化、多様化が始まると、顧客のニーズに合わせて組織も細分化した方が良いだろうとの考えが主流になりフラット型組織への移行が声高に叫ばれるようになりました。しかし、フラット型組織にも課題があります。フラットになった組織には会社の管理機能が弱くなるなどの課題が指摘されるようになりました。

EnterpriseZine

トピックスRSS

ランキング