世界における「イノベーション創出時」の国や企業の役割から考える、日本企業の弱点と対応策

EnterpriseZine / 2013年10月31日 8時0分

  世界の賢者と考える「トポス会議」シリーズ

 2013年10月2日、六本木ヒルズ森タワー・アカデミーヒルズ内ホールにて「第4回トポス会議」が開催された。トポス会議は、研究組織「ワールド・ワイズ・ウェブ・イニシアティブ」(略称w3i)が、産業人や研究者らを集め、世界の様々な課題を「世界の賢者と考える」場(トポスはギリシャ語で場の意)としてシリーズ開催している会議。今回は「日本のイノベーションのパラダイムシフト」と題し、w3iの発起人の1人で多摩大学教授の紺野登氏がモデレーターを務め、学術、ビジネス、行政に携わるパネリストたちが日本に求められる新しいイノベーション・システム、日本にふさわしいイノベーション戦略などを議論した。第2回目の本レポートでは3セッションのうちトポス2、3「社会を巻き込むイニシアティブ」、「明日の日本のイノベーション」についてお伝えする。

●国や地域で異なる「社会起点」のイノベーションのかたち

 トポス2「社会を巻き込むイニシアティブ」セッションでは、モデレーターの紺野氏がトップダウンではなくボトムアップのイノベーションを起こしていかなければならない今日、世界の国々はその要求にどのように対応しているのかを垣間見てみたいと提案。

 マーク・ハッチ氏(米国 テックショップCEO)、ヤン・ステイメン氏(オランダ ラーテナウ研究所所長)、穆荣平(ムー・ロンピン)氏(中国科学院 科学技術・管理科学研究所所長)ら外国人招聘者がパネリストとして参加し、各自の活動に基づくイノベーション観を語った。

■イノベーションが生まれるコミュニティづくり〜テックショップCEO ハッチ氏

 米国のテックショップ(TechShop) は、月会費を払えば誰でも実験や試作品制作に必要なツールが使える製作所を全国展開し、ローカル・イノベーションを推進している組織。機械やソフトを幅広く揃えるだけでなく、使い方を教える講座も提供している。CEOのハッチ氏は「個人で産業革命が起こせる場所」と説明、オバマ政権にも支持されているその存在意義を次のように語った。

●テックショップはミツバチの巣

 テックショップでは、フォードやソニーがイノベーションを起こすために必要としたようなツールやラボにすべてアクセスできる。

 これが我々の基本的なプラットフォームだが、最も大切なのは地域にイノベーション・コミュニティを育てることだ。自動車会社をはじめとする企業、州立大学など数多くのパートナーとともに、テックショップが提供している場はたとえて言えば「ミツバチの巣」だ。イノベーションというハチミツを採るために、人というハチを集める。そのためにコミュニティを健全に保ち、人がまた人を呼び、活発に活動できるようにしている。

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