ドラッカーが語る、現代でも有効な「イノベーションの原則」と「組織での体系的な取組み」

EnterpriseZine / 2013年11月29日 8時0分

図2:冷蔵庫と洗濯機のマーケットシェア世界No.1 (2010年)のハイアール

 本書『イノベーションと企業家精神』(原題:Innovation and Entrepreneurship)は、マネジメントの父と呼ばれているドラッカーが1985年に発表した著作だ。30年近くも前の本でありながら、いかに組織でイノベーションを実現すべきかについて、様々な観点からアイデアを提供してくれる。詳細をみていこう。

■最初に読むべきイノベーションの本

 もし「イノベーションに取り組もうとした際、最初に読むべき本は何か?」と聞かれたなら、本書『イノベーションと企業家精神』を薦めたい。原著が出版されたのは30年ほど前であるため、本の中で紹介されている事例は古い。しかし、そのこととは全く関係なく、この本には価値がある。

 なぜなら、取り扱われている内容が「イノベーション実現における重要なポイント」「守るべき基本的なルール」「注意すべき点」といった、イノベーションの原理原則だからだ。最も特筆すべき点は、イノベーションを天才のひらめきによる神秘的なものではなく、「組織による体系的な取り組み」として扱っていることにある。

 この本で紹介されている原則は、イノベーションを起こしたい組織関係者が必ず把握しておくべきものだ。例えば、MicrosoftでInternet Explorer開発に従事していたスコット・バークンによる『イノベーションの神話』では、執筆時に利用価値が最も高かった本として本書があげられている。バークンいわく「イノベーションというビジネスを理解したいのであれば必読書」である。

 また、スタンフォード大学d.schoolにおいても本書は推薦書籍となっている。デザイン思考のようなイノベーション実現ツールを扱う際には「なぜデザイン思考という道具が機能するのか」といった全体の関連性に対する理解が欠かせない。

 では、具体的にはどのような内容が書かれているのだろうか。本書は3つのパートから構成されている。

第一部 イノベーションの方法

第二部 企業家精神

第三部 企業家戦略

 第一部の特徴は、イノベーションにつながる7つの機会が、信頼性と確実性の高い順に紹介されている点にある。今回は、数ある機会の中でも、最優先すべき「予期せぬ出来事」について取り上げたい。

柏野 尊徳[著]

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