データサイエンティストは「現場の課題」から生まれる―アビームコンサルティング 市川秀樹さん(その1)

EnterpriseZine / 2013年11月18日 12時0分

 アビームコンサルティング株式会社 プロセス&テクノロジー第4事業部 ビジネスインテリジェンスセクター シニアマネージャの市川秀樹さんは、内外からデータサイエンティストと認められる存在。とはいえ、市川さんは、大学時代にコンピューターサイエンスを学び、統計解析を専門にしていたわけではない。

■独学で技術を学び、システムを構築

 「大学は工学部で、水蒸気機関の設計とかをやっていました。当時はコンピューターはありましたが、利用できるのはホストコンピューターだけで、設計の作業は紙に図面を引くというものでした」(市川さん)

 そんな市川さんが学生時代にやっていたアルバイトが、バイク便のライダー。運べば運ぶだけ稼げるのが、バイク便の仕事。市川さんは都内在住で道を知っていたこともあり、素早く荷物を届けられた。なので「当時は会社の中ではトップライダーでした」とのこと。このアルバイトをきっかけに、就職はアルバイト先のバイク便会社となる。社員になり、ライダーから内勤に。小さい会社だったので、ライダーの管理から配車、備品の管理など、対応する業務は幅広いものだった。

 当時はまだNEC PC9801が世に出始めのころ。バイク便会社の業務はあまりIT化はされておらず、紙の台帳での管理などが当たり前だった。

 「たとえば荷箱やベストをライダーへ貸し出すのですが、その管理は紙の台帳で行っていました。ライダーが辞めて備品が返却されると、台帳を修正液で塗りつぶしてといった感じで、台帳への転記作業だけでも相当な手間でした」(市川さん)

 アルバイトも多く台帳の厳密な運用ができないこともあり、棚卸ししても数字が合わないことも多々。こういう状況を見ていて、市川さんはPCでなんとかできないかと考えた。当時、東芝からJ-3100SSという世界初のラップトップPCが発売された。これには表計算ソフトのLouts 1-2-3が搭載されており、マクロも利用できた。市川さんは、このマクロ機能を使ってLotus 1-2-3の上に台帳機能を作り上げてしまったのだ。

 「PCを使えば、正確で早くできます。それを、誰がやってもできる。すごく魅力的でした」(市川さん)

 市川さんにプログラミングのスキルがあったわけではない。独学で勉強し、作り上げたのだ。その後は、ITの進化も始まり、業務現場にも次第にコンピューターが進出し始める。働いていたバイク便の会社でも、ホストコンピューターを使って、人事や経理の業務がIT化していた。とはいえ、当時のホストコンピューターはあまり融通がきかない。データを集計しレポートを作りたいと思っても、それを開発会社に依頼するとコストも時間もかかる。そんな状況を改善するためもあり、ホストコンピューターのデータベースをOracle7に載せ替えてしまう。

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