ストレージエンジンのエキスパート登場!―斯波健徳さん

EnterpriseZine / 2014年2月7日 10時0分

「全文検索エンジンGroongaを囲む夕べ 4」にて

 MySQLの特徴に「ストレージエンジンを選べること」が挙げられる。このストレージエンジンを開発して提供しているのがスパイラルアーム合同会社 代表の斯波健徳さん。第8回 日本OSS奨励賞も受賞した。意外なところからスタートしたエンジニア人生、どうしてストレージエンジンに目を付けたのか。

■ストレージエンジンのエキスパートの意外な前職

 2013年10月9日、日本初の本格的なMariaDBイベントとなる「MariaDB/MySQL コミュニティイベント in TOKYO」が開催された。発表者にはMySQLやMariaDBのサービスを提供しているSkySQLのメンバーが名を連ねるなか、日本人の斯波さんもいた。斯波さんが解説したのはMariaDB 10.0からバンドルされているストレージエンジン「Spider」。斯波さんが開発したストレージエンジンでシャーディングを行うのが特徴だ。

 11月29日には「全文検索エンジンGroongaを囲む夕べ 4」が開催された。毎年「いいにくの日」に開催するのが恒例となっていて、今年で4年目。斯波さんはここでも常連の発表者である。斯波さんが発表したのは自身がGroonga開発チームと協力して開発している「Mroonga(むるんが)」。これもMySQLのストレージエンジンで高速な全文検索機能を提供するもの。

 斯波さんはこの他にも、Vertical Partitioningというテーブルをカラム単位で分割するストレージエンジンの開発も手掛けている。

 Spider、MroongaにVertical Partitioning斯波さんはMySQLのストレージエンジンを開発する希少なエンジニアの1人。2013年にはスパイラルアームを起業し、ストレージエンジンの開発ほかMySQLを中心としたシステムのサポートやコンサルティングを行っている。

 今ではデータベースにどっぷりな斯波さんではあるが、実はエンジニアとしての経歴やMySQLとの関わりはそう長くはない。2000年まではITとは違う仕事をしていた。大阪市内で遺跡の発掘調査をしていたというのだ。

 道路工事や家を建設するとき、遺跡がありそうな場所では遺跡調査を行うことがある。そこから発掘されるのは縄文時代の矢尻や弥生時代の土器や、大阪城の争いの跡など。斯波さんは当時のようすを「発掘では道具がどんどん小さくなるんですよ。最初はスコップで掘り、最後ははけなどを使って壊さないように慎重に取り出すんです」と説明する。なかでも縄文時代の祭壇で使われたと思われる遺物を掘り出すときはとても壊れやすくて慎重に作業したそうだ。

 なぜそんな仕事からITの世界へ? 発掘調査をしていたときにはすでに趣味でプログラミングをしており、それを見た弟が「ITの仕事が似合うのでは」と背中を押してくれたのがきっかけだそうだ。そもそも発掘作業で欠かせない、細かい遺物を慎重に取り出す作業とITのプラミングの工程は、どこか似ている気がする。

 IT業界に転職すると、開発案件をベースに仕事を進めていった。当初扱っていたデータベースはOracle Databaseだったが、MySQLの案件にも携わるようになるうちに、次第にMySQLにのめりこんでいく。チューニングがうまく行き、100倍くらい性能が上がったりすると面白みを感じた。ストレージエンジンが選べるという特徴も興味深かった。

加山恵美[著]

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