行動観察にもとづくサービスサイエンスの実践は「組織文化」が重要

EnterpriseZine / 2014年6月20日 8時0分

▲ 組織における「文化」とは?(構造)

 企業にとって、付加価値を高めるためには「サービスレベルの向上」が大きな課題だ。しかし、サービスは一過性で捉えにくいものであり、マネジメントに苦慮する企業も少なくない。そこで、人の行動を観察することで無意識なニーズや不満を探る「行動観察」というメソッドによって、サービスを可視化し、スタッフ自らの課題と認識させることができるという。大阪ガス行動観察研究所株式会社(旧株式会社エルネット)インタラクティブ・マーケティング事業部の松本加奈子氏が事例をもとに説明を行った。

■価値共創の時代に注目される「行動観察」による顧客ニーズの抽出

 近年、商品とサービスにおけるイノベーションとして、「プロダクトアウトからマーケットイン」という表現をよく耳にする。物があふれる時代にあって、企業が技術を起点に作りたい商品を作って市場に売り込む方法から、顧客のニーズを汲み取って商品やサービスへと展開する方法へと変化しているというわけだ。

 松本氏はさらに、顧客から支持を受け続けるための「ブランディング」や、製造業のサービス化「サービス・ドミナント・ロジック」などを紹介。「モノづくりが価値づくり、価値共創へと変化する中で『行動観察』が役に立つと考えている」と語る。

 この「行動観察」に基づいて行動観察研究所が提供するサービスサイエンスは、これまで個人の勘と経験に委ねられてきた「サービス」に科学的な視点や手法を投じていこうというものだ。まず現場で「観察」を行い、事実を把握し、「分析」して、改善のための「ソリューション」の3ステップを経ることで可視化して共有し、サービス改善や新たな価値創成へとつなげていく。

 そこにはさまざまなメソッドや視点が盛り込まれており、たとえば「観察」でデータを収集する際に人間工学手法などを用いるだけでなく、「分析」や「ソリューション開発」では、人間工学やエスノグラフィー(集団や社会の行動様式をフィールドワークによって調査・記録する手法)、環境心理学、社会心理学、仕草や表情の分析などが取り入れられている。

伊藤真美[著]

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