「シンプルERP」が成熟したERPの世界を塗り替える!SAP SAPPHIRE NOW

EnterpriseZine / 2014年6月12日 12時0分

 先週は、SAPの年次カンファレンスイベント「SAP SAPPHIRE NOW」の取材で米国オーランドにいた。実はオーランド訪問もSAPPHIREへの参加も今回が初めて。これまでもインメモリーデータベースのSAP HANAやBI関連製品などを中心に、SAPについては国内で取材をしてきた。どちらかと言えば個々の製品をターゲットに取材して、製品ごとの特長を捉えようとすることが多かった。今回は、改めてSAP全体の最新メッセージをCEOのビル・マクダーモット氏やSAPの共同創業者で会長のハッソ・プラットナー教授から受け取ることができた。

■「シンプル」は使い古されたキーワードではない

 マクダーモット氏がメッセージとして強く打ち出していたのが、「シンプルにする」。

 IT業界においてシンプル化というのは、もはや使い古されたキーワードの1つだろう。とはいえSAPのいうシンプル化は、単にシステムをシンプルにしてコスト削減するだけでなく、シンプルにすることでビジネスに新たな革新を生み出すことを指す。そして、このシンプル化のための強力なエンジンとなるのがSAP HANAである。圧倒的な速さはリアルタイム性を生み出し、プロセスを効率化し手戻りもなくす。プロセスそのものを減らしてしまうようなシンプルさから、新たな革新が生まれるのだ。

 もう1つの重要なメッセージが「シンプルERP」という新たなERPアプリケーション提供開始のアナウンスだ。このシンプルERPを実現するプラットフォーム基盤もまたSAP HANAである。これまでのSAP ERPでは財務会計やサプライチェーンなどアプリケーションモジュールごとにデータベースが別々に存在するアーキテクチャだ。これは、プロセスをシステム化し自動化するところからアプローチしているSAP ERPの特性でもあり、プロセスをスムースに回すのに都合がいいようデータベースを配置した結果だろう。

 同じERPでもOracle E-Business Suiteは、データベース屋が作ったアプリケーションだからか、基本的にはデータベースは1つにするという発想のもとに作られている。同じエンタープライズ向けのERPパッケージ製品でも、アーキテクチャは大きく異なるものだったのだ。

 今回のSAPPHIREで発表されたシンプルERPは、実はOracleのようにデータベースを1つにし、それを中心にして必要なアルゴリズムをデータベースに対し適用することで会計なりのプロセスを自動化できるようにするものだ。つまり、データベース部分のアーキテクチャを、旧来のばらばらなものから一新するアプリケーションをコードレベルで作り直すことにしたのだ。

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