森本千絵「私の仕事は、誰かのための地図を書くこと」--1/2【INTERVIEW】
FASHION HEADLINE / 2015年4月10日 20時0分
コミュニケーションディレクター、アートディレクターとして活躍する森本千絵。
NHK連続テレビ小説「てっぱん」のオープニングタイトルや、松任谷由実、Mr.Childrenなどミュージシャンのアートワーク、本の装丁、動物園や保育園の空間ディレクションを手掛け、様々なジャンルからアートを通じて語りかける。
そんな彼女が、今年春三越伊勢丹グループの母の日キャンペーンのディレクションを行う。商品開発だけでなく、店舗での空間演出や宣伝広告などにも彼女が関わっていくという。彼女に仕事に対する姿勢や、幼い頃の母の日の思い出について聞いた。
―なぜ、コミュニケーションデザイナーという肩書きでプロジェクトに関わるのでしょうか。
動物園で個展を開催したり、保育園を作ったりしているうちに、自分が何屋なのかが分からなくなってしまった時がありました。よくよく思い返すと、自分は白い紙に何かを書くということより、誰かその作品の先に相手がいて、私が書いた絵が地図のような役目になって、誰かが動く仕組みをデザインしたいんだという考えに至りました。
アートディレクターとは、目に見える部分全体のディレクションをするという、とても大変な仕事なのですが、人と人の「ご縁」が繋がるきっかけになれたらという思いがあり「コミュニケーションデザイナー」という肩書きも使っています。
―コミュニケーションをデザインするとは具体的にどのようなデザインなのでしょう。
今回の三越伊勢丹の母の日プロジェクトで言うならば、私からお客様に直接メッセージを伝えるというよりは、三越や伊勢丹の店舗があって、その場にお客さまが来た時に何が起きるのか?ということを考えながら、その空間をプロデュースしていきます。つまり、1枚の絵の中でデザインが完結するのではなく、その絵を使って、その先のコミュニケーションをデザインしていくということ。だから、私が描いた絵が地図のようになって、それによって誰かが動く仕組みをデザインしたいと思っています。なので、誰かが、誰かのために動く地図を作るのが私の仕事です。
―三越伊勢丹の母の日キャンペーンで「親子の木」をモチーフにした理由を聞かせてください。
この「親子の木」は、葉っぱの一枚一枚が物語になっています。この親子の木で出来ている「あかるく まあるい ごえんの惑星」では、お母さんの“Hahaの木”が、子供の“Bokuの木”に“おはなしのは”をあげて育てています。私は子供にとって大切なのは、事実や正解だけでなくて、例え嘘だとしてもその人に必要な物語だと信じていて、その魔法のような物語によって子供の心が動くこともあると思っています。きっと、正解を言われるより、心が動く物語があるはず!だから、お母さんやこれからお母さんになる人に向けて、プレゼントしていく物語を描きました。
2/2に続く。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
原ゆたかさんが明かす『かいけつゾロリ』の秘密「どんな子も最後まで読みたくなる」
PHPオンライン衆知 / 2024年5月8日 11時50分
-
「親が宿題を代行」を先生が怒らなかった納得理由 教育現場は「正論」しか選択してはいけないのか
東洋経済オンライン / 2024年5月5日 12時0分
-
<日本人の忘れられない中国>まさか本当に「シャンシャン」になるなんて
Record China / 2024年5月4日 13時0分
-
90歳のレジェンドイラストレーター・宇野亞喜良「夢中になって日3枚描くこともあります」
ananweb / 2024年4月27日 22時0分
-
「理想的な母」という呪いで、頑張りすぎるあなたへ。新しい「家族」の形を提案する1冊。『卒母のためにやってみた50のこと がんばる母さんやめました』発売(4/27)。
PR TIMES / 2024年4月25日 11時15分
ランキング
-
1コーヒー豆高騰の背景に…中国でブーム“悪魔のフルーツ”、ピザや火鍋にも【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月10日 21時10分
-
2「日本国債」の紙くず化がとまらない…雪だるま式「借金地獄」から日本が抜け出せない根本原因【経済のプロが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月11日 11時15分
-
3朝ドラ登場の食堂モデル、岐阜の五平餅店が閉店へ…「寂しい」全国から名残惜しむファン足運ぶ
読売新聞 / 2024年5月10日 15時8分
-
4【閉園騒動から再出発】「ラブライブ!聖地」水族館、新社長が語った苦悩「従業員は大量解雇」「マイナスからのスタートです」
NEWSポストセブン / 2024年5月10日 19時20分
-
5ヨーカドーの跡地が「世界最大級の無印良品」に…過疎地の商業モールを復活させた「社会的品揃え」の魅力
プレジデントオンライン / 2024年5月11日 9時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください