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Retail Revolution スマートフォンとデジタルがもたらすリテール・テクノロジーの未来【SXSW vol.4】

FASHION HEADLINE / 2015年6月14日 19時45分

ニーマンマーカスの婦人靴売場では、タッチパネル付きテーブルで店舗とオンラインストアの在庫を同時に検索可能

リテール・テクノロジーは、今年の「SXstyle」で、もっとも大きなセッション・テーマだ。

リアル店舗の顧客体験が、モバイルとデジタルの力でどう変わっていくかという内容を、テクノロジーカンパニー、ファッションブランド、百貨店、雑誌社、ベンチャーキャピタリスト、リサーチ会社など、様々ななカテゴリの人がディスカッションしていた。

スマートフォンはWEB上での顧客接点としてだけでなく、実店舗においてもデジタルサイネージやビーコンなどと連動した接客ツールになるばかりか、決済ツールとしても機能する。その結果、一人の顧客の関心や購買情報がEC、WEB、店舗とシームレスに統合されていく。そんな未来に、店舗デザインや店内のデジタルツール、モバイルのアプリやコンテンツ、webサイトやECサイトなど、立体空間を横断して展開されるメディアアプローチの設計が、より重要になるだろう。

■リテールテクノロジーをインキュベーションする

「Simon Ventures Group」はリテールテクノロジー分野への投資に特化したベンチャーキャピタルだ。昨今、注力しているカテゴリーは、パーキングテクノロジー、エコエネルギー、ファッションテック、リテールテックなど。既存のリテールのカテゴリーにテクノロジーを掛け合わせることで、あたらしい価値を創造することが狙いだ。

また、前述の英国の百貨店「ジョン・ルイス(John Lewis)」では近年IT部門への投資を大幅拡大している。CIOの採用とITエキスパートと呼ばれるデジタルの専門職を外部雇用し、マルチチャネルでの顧客サービスを強化している。リテールテックのスタートアップへの出資を目的とした「J-LAB」というインキュベーション部門を設置している。

小売業がデジタルマーケティング・ラボを持つ例が増えている。米国の百貨店「ニーマンマーカス(Neiman Marcus)」の「イノベーション・ラボ(iLAB)」もその一つだ。iLABでは、リテールテックのトライアルを数多く行っており、一つのプロジェクトを少数店舗に期間限定で試験導入し、効果があれば展開店舗を広げる形で、大小様々な規模のIT企業と実験を行っている。

「iLAB」によるリテールテックのトライアルとして、婦人靴売場に「Interactive Touch Table」とよばれる32型4Kハイビジョンモニター付きのテーブルを設置している。タッチパネルで店舗とオンラインストアの在庫を同時検索でき、自分のウィッシュリストにお気入りのアイテムを追加したり、商品リンクをE-mailで送信することが可能で、靴のサイズ欠品による機会損失を軽減できる。

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