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神戸で夏休みのサプライズ、「天野喜孝展」で即興ファッションイラスト公開

FASHION HEADLINE / 2015年8月11日 12時0分

作品Candy Girl(2014年)と天野喜孝

「ファイナルファンタジー」や「科学忍者隊ガッチャマン」、「タイムボカン・シリーズ」、「新造人間キャシャーン」、「昆虫物語みなしごハッチ」などのキャラクターデザイン、栗本薫の『グイン・サーガ』、菊池秀幸の『吸血鬼ハンターD』など人気小説シリーズの挿絵や装幀画、ファインアートの分野まで過去の作品が、改めて評価されているアーティスト・天野喜孝の神戸で開催中の展覧会が、夏休みに入り人気を集めている。これまでパリ、ニューヨーク、ルクセンブルグ、香港など海外では数多くの個展が開催されてきたが、日本での公立美術館で本格的な作品展はこの巡回展が初めてとなり、昨年9月に熊本市現代美術館を皮切りにスタートした。

8月30日まで、安藤忠雄の建築としても知られる兵庫県立美術館で開催されている「天野喜孝展 想像を超えた世界」では、初期の「ガッチャマン」のセル画から、原画、シルクスクリーン、最新作のアルミパネルにアクリルで描かれた幅7mを超える大作まで、200点を超える作品を一同に展示。「ファイナルファンタジー」シリーズの原画やシルクスクリーン、最近アニメ化された「やさいのようせいN.Y. SALAD」の原画など新たな作品も加わり、子供から学生、大人まで幅広い層のファンで賑わっている。

ファッションの分野では10年に行ったパリ・オペラ座で菱沼良樹と共作した「Eve」展、12年の伊勢丹新宿店の婦人服リモデルのオープニング企画として行った「アンリアレイジ(ANREALAGE)」との共作など、日本のデザイナーとのコラボでも知られているが、04年には雑誌『ヴィジョネア』に作品を発表するなど、海外のファッションメディアでもしばしば取り上げられてきた。15歳で入社したタツノコプロ時代から描いてきた近未来的なデザインは、海外のアニメファンにも人気が高い。マイアミやサンフランシスコなどで開催されたコスプレイベントでは、「ファイナルファンタジー」から源氏物語まで同氏の描く世界だけのキャラクターに扮した多くのコスプレイヤーたちが集まるなど、その人気は熱狂的で、近年のジャパンアニメーションの草分け的存在として知られている。

また、最近描かれている「キャンディガール」シリーズは70年代から同氏が描いてきた少女たちをひとつの世界に集約し、ポップアート的な解釈の元、自動車用の塗装で仕上げた新たな大作として発表されている。

「自分では意識してこなかったが、70年代のファッションやポップアートの色使いは自分の絵の中の大きな要素のひとつになっている。タツノコプロでひたすらキャラクターを描いていた自分自身の10代、20代当時の写真を見るとロングヘアーで『ガッチャマン』のケンの格好そのまま」(天野氏)と笑う。同展にも「アンディ・ウォーホルがシルクスクリーンで発表したマリリン・モンローへのオマージュ」(同)として制作された、「ヤッターマン」のドロンジョのシルクスクリーンなども展示されている。

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