1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

BAOBAOコレクター、ミッツ・マングローブ「バッグだけは裏切らない」【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2015年8月11日 21時0分

だから、1色しかない子(バオバオのアイテム)には“偉い存在”に仕立て上げることで、いじめられっ子とか仲間外れにならないようにしているんです。バオバオたちの中でヒエラルキーを持たせるんですね。実際、バッグたちに「(一つしかないバッグに)あなたは偉いのよ」と言い聞かせることもありますよ。それでもどこにも紛れられなくて浮いちゃう子もいるので、そうなると里子に出したり、飾る部屋を分けたり。

ーー複数色から1色を選ばないといけない場合はどうしているのですか?

変な話、選べなくなったら母親を呼んで、彼女がいいって言ったほうを買います。自分の感性だけはまったく信用してないので、人がいいって言ってくれないと不安なんです。誰かが背中を押してくれて、ようやくいいと思えるんです。

ーー著書『うらやましい人生』でも、小さいころから、センスのあるお母様にお洋服など選んでいただいていたことを振り返られていますね。

母親の影響が大き過ぎたので、自分の感性やアンテナだとかあやふやなまま育ったところはあります。だから、物を買うときにも衣装を選ぶときにも必ず母親の顔が浮かびます。「これだったら母親は好きかな」とか「こんなのイヤっていうかな」とか。本当に煩わしいと思うんですけど、自分にとっての指針がそれしかないんです。昔からの知り合いの人たちにも「若いころのお母さんと同じ格好だね」と言われるんですけど、私は無意識なんですよね。洗脳と一緒で、自分では分からないんです。

ーー洋服以外のお買物の時はどうされているんですか?

買い物はとにかく苦手ですね。例えば伊勢丹に買い物に行ってワイン一つ買うにしても、見知った店員に「いつものあれを」ってお願いするのがお決まり。メイク用品にしても、私はこの顔を作れればそれで十分なので、いろいろ試すことにまったく興味がなくて、見ているだけ時間の無駄だと思っています。全部、「ミッツ・マングローブ」になるためのツールだから、小道具の“補充”さえできればそれでいいんです。

ーーそうした考えがある中で、バオバオに惹かれたのはなぜなのでしょう?

私、どうやらバッグがすごく好きらしいんです。“らしい”って表現したのは周りの人に指摘されたからなのですが、実際、気付いたらバッグ売り場で足を止めていることが多くて。それで、これはなんでなんだろう? と自分で分析した結果分かったんですが、「バッグだけは裏切らない」というのがその理由です。

もともと身体が大きくて、中学生のころにはすでにこの体型だったので、男物の靴であっても、やっとの思いで選んだのにサイズがないことが度々ありました。女装するようになってからは、靴も服も女物だからなおさら。

本当は、どこかに自分のセンスやスタイルを落とし込めるアイテムを探求したいという思いも、過去には存在したのかもしれないですね。早い段階でその気持ちに対するシャッターを閉めちゃったので、そこからセンスが育まれてないんです。だからモデルが母親しかいないし、ずっと80年代が好きで進化していない。だからこそ、バッグに救いを求めたのかもしれません。

■プロフィール
女装家 ミッツ・マングローブ
「普通」に憧れ、「普通」になれなかった少年
子供時代から、おネエブーム、芸能界のこと。
40歳の節目に初の自叙伝「うらやましい人生」発売中。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください