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ワイン農家から靴の特許で急成長、伊GEOX会長が来日し“起業のすすめ”

FASHION HEADLINE / 2015年11月25日 20時0分

イタリアの靴ジェオックスグループの会長、マリオ・モレッティ・ポレガート氏

世界各地の大学で「知的財産」と「起業」について講義を行っている、イタリアの靴メーカー、ジェオックス(GEOX)グループの会長、マリオ・モレッティ・ポレガート氏が早稲田大学での講演のために来日した。

マリオ会長は北イタリア・トレヴィゾのワイン生産家の三代目として家業を継ぎながら、90年代初めにあることをきっかけにシューズブランドを創業。カジュアルシューズメーカーとしてまたたく間に売り上げを拡大。ベネトン、デロンギなどグローバルなブランドを生み出すトレヴィゾ特有のブランディング戦略にも注目が集まっている。

ジェオックスグループは創業10年足らずの04年にミラノ証券取引所に上場を果たした。マリオ会長の起業力、急成長させたビジネスリーダーとしての資質が話題を集め、00年代に入ってさまざまな大学の客員教授として招聘。これまでに伊ヴェネツィアのカ・フォスカリ大、ボストンのMIT、ケンブリッジ大、コロンビア大、北京大、香港大、モスクワ大などで講義やカンファレンスを行っている。

「そもそものきっかけは米国ネバダ州リノの砂漠。ワインの展示会でリノを訪れ、散歩していたときにゴム底のスニーカーが蒸れてあまりに暑くて不快だったので、持っていた旅行用のスイスのアーミーツールのナイフで靴底に穴を空けたんだ。それがすべての始まりさ」とマリオ会長は楽しそうに話し出す。

その効果が快適でゴム底に通気口を空け、防水機能を持たせた“呼吸する靴”の特許を世界100ヶ国で登録。「その当時は靴を売ろうとは思っていなかった。アイデアを売ろうと思っていた」(マリオ会長)が、3年経ってもそのパテントに興味を持つ企業は現れず、それならと自らヴェニスにシューズメーカーを設立。5人の仲間と数人の大学生でスタートしたシューズメーカーは、現在イタリアのカジュアルシューズメーカーとしては業界トップの地位を確立。

現在、世界115ヶ国で1,250店舗を展開しており、14年度の売上高は前年比109.6%で約1,200億円。世界中で約2,000万足を販売し、その内イタリア国内では700万足を販売し、イタリア国民の8人に1人が購入している計算になる。

「我々の成功の要因はテクノロジー、イタリアンモード、コンフォータブル(快適さ)の3つ。コレクションのモードはアーバンスタイルだが、我々はデイリーなアーバンでの快適さを求めた結果だ。ゴム底シューズの国内シェアは95%に達しているが、今後は革底靴、ウェアへとテクノロジーを広げていく」とマリオ会長は意欲的。自身もルーマニアやイタリアで農業、獣医学、化学、経営学、経済学と次々に博士号を取得し、欧州の各大学の生徒との共同開発を進めており、最新テクノロジーを活用した生徒とのコラボ企画などにも意欲的。一方で、デザイナーラインとしてパトリック・コックスも展開し、ファッションアングルでの視野の広さや、イタリア、スペインでスタートしているダウン症児との協業など企業活動も、講師として認められる所以だ。

家業のワイン農家は7つのブリュワリーを持ち、年間約3,000万本以上を販売しており、その盤石なる歴史があってのジェオックス成功秘話ながら、「一つのアイデアは一つの工場より価値がある。イノベーションに投資したい人は世界中に多数いる。日本のテクノロジー、企画力には世界中から注目が集まっており、若い世代のパワーに期待している」と同会長は話している。

Text:野田達哉

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