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世界農業遺産“能登の里山里海” 暮らしや食文化に触れる能登の旅 --1/3 ~醤油・味噌、輪島塗、千枚田 輪島市編~

FASHION HEADLINE / 2015年12月4日 20時0分

輪島市内には、現在190軒ほどの塗師屋がある。なかでも老舗塗師屋として知られる、江戸は万延元(1860)年に創業した蔦屋漆器店。全国を駆け回る6代目当主に変わり、ギャラリー蔦屋を切り盛りする女将・大工佳子さんは「保温効果が高いうえに熱が伝わりにくく、冷たいものを入れても輪島塗の漆器は汗をかきません」とその特徴を語る。

また塗りを重ねる輪島塗は、特別な日だけに使う優美な器ではなく、日常の器として使えるタフさも兼ね備えている。「和食やお刺身だけではなく、イタリアンや肉料理など、いろんなお料理にあわせて欲しいです」。ギャラリー蔦屋には、作家ものはもちろん、日常の暮らしに取り入れたい輪島塗の漆器が揃っている。

■輪島が誇る、日本の原風景。海に面した棚田・千枚田へ

賑やかな中心部から海岸沿いを北へ向かうと、海に面した幾何学模様の棚田「白米千枚田(しろよねせんまいだ)」が、目に飛び込んでくる。傾斜地に作られた千枚を超える水田は、日本古来の苗代田(なわしろだ*3)農法を行っている。田植えから収穫まで、すべて人の手で行う棚田の米づくり。能登には至るところに棚田があり、能登棚田米や能登米としてブランド化も。甘みともっちりとした食感の能登棚田米は、人気が高いとか。もともと平地が少ない能登半島、先人が苦労して開墾した棚田が、今は多くの客人(まれびと*4)を楽しませ、世界農業遺産『能登の里山里海』を代表する美しい光景へと繋がっている。


*1 その地の伝統的な農業・農法や生物多様性が守られた土地利用、農村文化や農村景観などが一体となり維持保全が図られている世界的に重要な地域を後世に引き継ぐことを目的として国際連合食糧農業機関(FAO)が創設。
*2 世界農業遺産『能登の里山里海』は、七尾市、輪島市、珠洲市、羽咋市、志賀町、宝達志水町、中能登町、穴水町、能登町の4市5町からなる
*3 種籾(イネの種子)を播いて発芽させ、田植えができる苗まで育てる田。
*4 外からやってきた人のこと。能登には客人をもてなす客人文化がある。

取材協力/
谷川醸造 http://www.tanigawa-jozo.com
蔦屋漆器店 http://www.wajima-tutaya.jp
白米千枚田 http://senmaida.wajima-kankou.jp
いしかわ農業総合支援機構 http://www.inz.or.jp


Vol2へ続く

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