1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

中里周子×寺澤真理「ファッションだから持ち得る、人への愛。これが大事」--2/2【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2016年1月3日 17時30分

中里:絶対的な美であるモードに対して、「ヘタレ」で挑戦していくことですね。パッと手のひらを返すような美意識を打ち出すことで、モードを翻すこと、それが「ヘタレ」です。

もう一つ「不真面目」には美があるんじゃないかとも考えています。「ヌケ感」の底面には「不真面目」があるんじゃないかという考え方です。「モード」と「アンチモード」という二項対立ではなくて、「不真面目」って、全然違うレイヤーにいてひょっとやって来るようなイメージなんです。だから「モード」に対する「アヴァンギャルド」、分かりやすく言えば、コムデギャルソンのような反骨精神を持つことは、「不真面目」とはまた違ったもののような気がします。

「不真面目」をイメージするなら、90年代だったらブレスの「自分たちは友達が大事だし、ここで飲みながら展示会やるよ」っていう空気感。だから、「不真面目」とは「おしゃれ」とも近い感覚ですね。「不真面目」なだけだったら心は動かない。「おしゃれ」と「不真面目」と「エレガンス」、この要素がファッションには必要だと考えています。

寺澤:それに近い感覚だと「ユーモア」と「知性」と「インテリジェンス」がありますね。ユーモアは誰かをけがしたり、傷つけたりする訳ではないし、そもそも知性がないとユーモアが生まれない。

だから「不真面目」も「真面目」を知っていないと生まれないんですよね。その「真面目」から「不真面目」への外し方にその人の個性が出る。それが美意識だと思います。

ーいずれにせよ、ファッションにおける立ち位置が、個人の美意識による訳ですから、非常に人間らしい振る舞いと言えそうですね。

寺澤:それに、人に対する愛情が表現に繋がっている人のファッションには、こちらも熱量や愛をちゃんと感じますね。そこに愛情がない場合は工業製品かのように感じてしまう。TOKYO解放区の役割はお客さまに「ファッション」を提案することなんだと思っています。

モノを買う時の、心が突き動かされる感じ。商品というモノにはなっているのだけど、気持ちがこもってるものが持つ力を私は信じていて、それを共有できる人と一緒に仕事をしたいと思っています。ストーリーがあるファッションの方が、きっとみんなを幸せにするし、寒さが凌げるとか機能をうたったファッションより、これからの未来はより役に立つんじゃないかなと感じています。これからは「思いを持った人」「感覚を大切にする人」が、人間同士いい仕事が出来るんだなと思います。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください