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人間国宝・志村ふくみが色と織で紡いだ大規模展「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰―」の全貌と見所【展覧会レポート】

FASHION HEADLINE / 2016年3月9日 20時0分


光の經(みち)
■染織と共に生きた60年におよぶ創作の歩

志村誕生の地である、滋賀県琵琶湖をイメージして機織された作品は『月の湖』『水門』『冬の湖』など美しい藍色を用いて表現された。また、源氏物語から着想を得た「源氏物語シリーズ」では、各帖のタイトル『若紫』や、登場人物である『明石の姫』などの作品が展示されている。その他、文学シリーズや、志村の出発点でもある民藝に学んだ作品など、60年に及ぶ創作の歩みを展示している。


源氏物語シリーズ


今回話を伺った京都国立近代美術館学芸課長の松原龍一さんは、この展覧会を開催するにあたり、志村のアトリエに何度も出向きたくさん話をしたという。「志村さんの作品には嘘がない」と話す松原さんの言葉がとても印象的であった。染色から紬織全ての工程において、60年間納得がいくまで何度も作業を繰り返し、今もなお自分の色を探し続ける。正直な心で物を生み出す志村の姿勢と、全ての物に感謝の念を持ち続け、次の作品に対して常に意欲的に取り組むその姿は、志村が染める糸のようにとても美しいものである。


■志村ふくみ
1924年に滋賀県に生まれ、母・小野豊の影響で織物を始める。57年第4回日本伝統工芸展に初出品で入選し、その後も受賞を重ねる。そして、90年には紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。2015年文化勲章を受章。同年「VOGUE JAPAN WOMAN OF THE YEAR 2015」受章。

参考文献:志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰―

【イベント情報】
文化勲章受章記念「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰―」
会場:京都国立近代美術館 3階企画展示室
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町
会期:2月2日~3月21日
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(ただし、3月21日は開館)
料金:一般900円、大学生500円、高校生・18歳未満は無料

「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰―」は京都国立近代美術館を皮切りに、沖縄県立博物館・美術館、世田谷美術館で順次開催する。

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