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パリコレクション俯瞰、過去、現在、未来へ【16SS Paris collection:横井由利】

FASHION HEADLINE / 2016年3月30日 21時0分

Science & Technology

ラグジュアリーブランドを任されたデザイナーには、伝統を守りつつ時代を切り開く先進性が求められる。16SSコレクションでブランドのデザイナー達が出した答えとは。

Science & Technology

インターネットは、19世紀の産業革命以上の変化を世界にもたらし、いたるところで新しい価値観を誕生させているが、ファッション界も当然のようにパラダシムシフトの波は押し寄せている。芸術性を極めようとした20世紀から、科学の時代と呼ばれる21世紀が到来し、科学やテクノロジーの中にクリエイティビティーを見出そうとしているのだ。

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のニコラ・ジェスキエールは、架空空間をコレクション会場に設え、テクノロジーを駆使して開発された素材を用い、クチュールの手法で未来型ファッションを描き出した。デジタルネイティブのジョナサン・アンダーソンは、皮革製品の老舗ロエベ(LOEWE)を、レザーを用いることなく彼のリテラシーでいとも簡単に進化させている。また、芸術とテクノロジーの融合を追求するイッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は、デザイナーが変わったとしてもプリーズ プリーツの進化版を発表し続けている。デザイナーの宮前義之は、研究室にこもり日夜研究に明け暮れる科学者を感じさせる。3Dスチームストレッチ、ベイクドストレッチと足を止めることはない。



21世紀の形が少しづつ見え始めたといわれる今、ファッションは目に見えない、奥深いところで大きな進化を始めているようだ。


Arts & Crafts

ルネッサンス初期には、芸術家という職業は存在せず、後世に名を残す芸術家も職人として仕事をしていたという。ヨーロッパでは芸術と職人技は同じ線上にある。クチュールメゾンにとって職人技を継承することは、最重要課題の一つだ。伝統は人の手と感覚の伝承により生き続けるものだけに、職人のパトロンとなり、仕事を発注することで資金的な援助を行う、パトロネージュの精神は生き続けているのだ。

ヴァレンティノ(VALENTINO)は、アフリカの捺染、ウッドビーズ刺繍などのアフリカの部族に伝わる工芸をオートークチュールの域に昇華させ独自の正統派の美学を披露した。片やメゾン マルジェラ(Maison Margiela)のデザイナーに就任したジョン・ガリアーノは、綿密なクチュール技を使いながら、アバンギャルドな表現法でコレクションを構成し、これからの職人によるクチュールへのアプローチをより豊かなものにした。クチュールメゾンだったランバン(LANVIN)には、職人たちの技が今なお伝えられている。アルベール・エルバスは職人たちを讃えて「マニュフェスト」名付けられたコレクションを発表した。



テクノロジーの進化は人間の手が担っている。美の追求にも、やはり人間の手と感性は欠かせない、純粋に美しいと感じるものを女性たちは求めて止まないのだ。

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