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本との出会いは人生のスパイス!村上春樹の本で世界への扉を開かれた東京・駒沢の「体験する書店」を訪ねて

FASHION HEADLINE / 2016年5月9日 15時0分

グラフィックデザインなどを生業に、旅に明け暮れた20代を過ぎ、将来を見始めた30代。「それまでは仕事を請け負う側だったけれど、先10年楽しくやっていけるのか分からなくなった。自己発信で何かしなければと思った時、本屋を営んでいる自分が一番イメージできたんです」。



ちょうどその頃六本木TSUTAYA書店ができ、世間では一大ブームとなっていた。デジタル化が進む中で“本・雑誌が売れない”と言われて久しいが、カフェサービスやトークイベントなど、独自でテーマを持ち新しい本の楽しみ方を提案する書店が生まれている。規模や趣旨は違えど、それまでの経験を踏まえて自分なりの本屋を始めることに。30代後半で異業種転職となると相当な覚悟が必要だが、持ち前の好奇心の強さと行動力で、2012年「SNOW SHOVELING」をオープン。

■“出会い系本屋”から生まれるラブストーリー

世界中の書店を知る中村さんは、サンフランシスコの「City Lights」、ロンドンの古本屋街(地価が上がり現在は無い)、パリの「shakespeare and company」など惹かれる場所は数多くあったが、最もインスピレーションを受けたのはニューヨークの書店だという。それもブルックリンの奥地にある、地元民しか知り得ないような個人経営の小さな店。気さくに語らう店主やお客を見て、その距離感や気負いのなさ、心も体も解放される自由な空気にインパクトを受け、こんな店がしたい!と想像を膨らませ具現化させた。

「僕は「SNOW SHOVELING」を “出会い系本屋”と称しています。その由縁はまず第一に、本というのは著者との出会い。次に、いつか昔、雑誌NEW YORKERで男女が出会いたい場所ナンバーワンに書店が選ばれていたのを読んだのです。キザではあるけれど、それってすごく素敵だなと思って。例えば電車の中で、自分が好きな本を向かいに座っている人が読んでいても声を掛けられないけれど、ここだったら出来る。下心もあっていいんです(笑)。「SNOW SHOVELING」では常連さん同士、自然と顔見知りになり会話を始めたり、僕もお客さんに意図的に話し掛けますよ。不確定要素がもたらすハプニングの面白さや思わぬ巡り合わせが生まれれば嬉しい。そして実際にここで人と人とが出会い繋がっていく、コミュニティを大切にしたい」と教えてくれた。実際、毎年開いているクリスマスパーティでは男女が出会い、3年連続カップルが誕生しているそう。書店から始めるラブストーリー、なんともロマンティックな物語。



■人生にスパイスを

「知らないことが増えていく喜びは、人生のスパイス。「SNOW SHOVELING」で好奇心を駆り立てられるような出会いを見つけて欲しいですね。情報として消化されるものではなく、心に留めておきたくなるような慈しむべき物を提供できるようにしたい。とはいえ、仰々しい存在でありたいとは思いませんが」と優しく微笑む。

出会いは財産。時にそれは人であり、本を通して見える時代、国、文化、知恵と様々だ。心の琴線に触れる衝撃的な出会いもあれば、見ず知らずの人と他愛もない会話で盛り上げる、何気ない幸福との出会いもあるだろう。“何か起こるかも”と期待を胸に「SNOW SHOVELING」に足を運んでみてはいかがだろう。


SNOW SHOVELING BOOKS & GALLERY
東京都世田谷区深沢4-35-7 2F
http://snow-shoveling.jp/

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