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【ファッションの“未来”たちに聞く】誰もが明日着たい服を、今日作れたらいい。デザイナー横澤琴葉--2/2

FASHION HEADLINE / 2016年6月24日 22時0分



ーー胸にトグルのようなものがたくさんついたコートが印象に残りました。これはダッフルコートのトグルをイメージして?

自分でもわからないです(笑)。工芸用の粘度をインターンの子と一緒にこねていたら、なんか取っ手みたいのが出来上がって、「いいね、コートに置いてみよう」って。で、置くならわーってたくさん置きたいよねって(笑)。解釈はお任せします。見た人、手に取った人が「なんだろ、おもしろいな」って感じさせてくれればいいなって思います。

ーー今後の展開としてどのようなヴィジョンを持っていますか?

まず、近いうちにと思っているのが、プリーツのコレクションのように一年を通して提供できる新たなコレクションを生み出すこと。新しい素材、新しい縫製で、またアイコニックなピースを作りたいです。そしてやっぱり、スピード感にこだわりたいです。一着20分くらいで作れないかなって。自分らしい作り方でいいんだっていうのは、これまでの活動で少なからず得た自信でもあります。人が持つ"不完全さ"や"弱さ"を、自分なりに表現できる素材だったり、その素材に合う縫製だったりを突き詰めて、もう一度服作りの基本の部分に立ち帰ろうと思います。着やすくて扱いやすいし、普段に着られるんだけど、パッと見たときに弱いなりの存在感を持っているような服を作りたいです。

ーー最後に、遠い未来についてのヴィジョンをお聞かせください。

単純ですが5年後、10年後はもっとたくさんの人に届いてればいいなって思います。服っていいな、ファッションっておもしろいなって思ってくれる人をもっともっと増やしたいんです。雑誌に載ってるから買います、マネキンに着せてあるから買います、だとやっぱりさみしいじゃないですか。そこで何を選ぶか、朝から何を着るか考えるのが楽しいのにって思っちゃう。ファッションに興味ない人からしたら本当に余計なお世話だと思うのですが…(笑)

でも究極を言うと、まさにそこなんです。一度、伊勢丹でのポップアップに来てくださったお客さんを逃したことがあったんです。そのお客さんは服作りにも興味を持っていて、めちゃくちゃ話が盛り上がって、「あたしにもこれ作れますかね」って言われたんで、ぶっちゃけて「作れますよ。全然作れると思いますよ」って言って、お客さんを逃してしまったことがあって。でもそれで良いんです。
後々、その子からは直接連絡があって、今度インターンとして迎えることが決まりました。普通に考えたら「この服あなたでも作れますよ」って薦めることってお客さんを逃しているので、マイナスに考える人もいるかもしれないんですけど、広い意味で、それこそファッションという大枠で考えると、底上げになっていると思うんです。技術的なことなんかすっ飛ばして、誰もが明日着たい服を、今日作ることができる。そんな価値観もアリだなって思ってもらえるようになっていけばいいですよね。ちょっと壮大すぎますかね(笑)

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