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「杉本博司 ロスト・ヒューマン」展が東京都写真美術館で開催、世界初公開の「廃墟劇場」含む3シリーズを展示

FASHION HEADLINE / 2016年6月29日 19時0分

杉本博司《パラマウント・シアター、ニューアーク》2015年 ゼラチン・シルバー・プリント 119.4 x 149.2 cm(image) neg.#36.002

「杉本博司 ロスト・ヒューマン」展が、9月3日から11月13日まで、東京・恵比寿の東京都写真美術館で開催される。

1948年に東京に生まれた杉本博司は、アメリカ・カリフォルニア州のアートセンター・カレッジ・オブ・デザインで写真を学び、「ジオラマ」「劇場」「海景」シリーズなどの大型カメラで撮影された精緻な写真作品を制作して、国際的に高い評価を確立した写真家で現代美術家。その作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館やニューヨーク近代美術館(MoMA)、ロンドンのテート・ギャラリーなど世界中の美術館に所蔵されている。

また、近年は活動の範囲を広げ、執筆や設計も手掛けている杉本は、2008年に建築設計事務所「新素材研究所」を建築家の榊田倫之と設立。これまでに静岡のIZU PHOTO MUSEUMや東京・六本木のLondon Galleryの内装を担当している。来年の2月には、展示室の改装を手掛ける静岡のMOA美術館がリニューアル・オープンするほか、同年秋には、ランドスケープ全体を設計した神奈川の小田原文化財団 江之浦測候所の開館が予定されている。

杉本の世界観や歴史観に迫る本展では、2014年にパリの美術館、パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)で開催された「Lost Human Genetic Archive」展のインスタレーションを東京ヴァージョンとして新たに展開。人類の死滅を想定し、遺物となった歴史や文明について、「比較宗教学者」「宇宙物理学者」といった33の視点から考察する。

会場では、「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」「廃墟劇場」「仏の海」の3シリーズを展示。今回、世界で初めて公開される「廃墟劇場」は、1970年代から制作しているシリーズ「劇場」が発展したもので、実際に廃墟と化した劇場で杉本が自らスクリーンを貼り直して映画を投影し、作品1本分の光量で露光した作品だ。また、「仏の海」は、10年以上にわたって杉本が取り組んできた、京都の蓮華王院本堂(通称、三十三間堂)の千手観音を撮影したシリーズで、今回は同シリーズの大判作品による新たなインスタレーションが展示される。

なお、本展は、大規模改修事業を経て9月3日にリニューアル・オープンする東京都写真美術館の総合開館20周年を記念して行われるもの。同館では、「杉本博司 ロスト・ヒューマン」展の開催を皮切りに、総合開館20周年を記念した展覧会やワークショップ、イベント、国際シンポジウムが行われる予定だ。

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