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【対談】キギ・植原亮輔×写真家・新津保建秀--プロのクリエーターが考える「写真を撮ること」

FASHION HEADLINE / 2016年9月10日 11時0分


ワークショップでは、iPhoneで撮影した写真の加工を行う

■二人を繋ぐ?ドットの世界

―― 新津保さんは以前ドミニク・チェンさんとの対談で、20代のころ、初期ゲームボーイのドット絵を用いて絵画制作をするフランス人アーティストとの出会いがイメージとメディアの関係を考えるようになった契機だとおっしゃっていて、植原さんもシールで描いたドットの作品(「implosion←→explosion」)を発表されています。もしかしたら二人をつなぐキーワードはドットなのかな、と勝手に想像していました。

新津保:確かに、そんな話もしたかも(笑)。この友人はインターネットのかなり初期の頃から、これを自覚的に使った制作方法を実践していたのですが、その様子を見て、これからイメージの共有の在り方が大きく変わるのだろうなー、と考えるようになったんです。

植原:僕の作品「implosion←→explosion」には、写真をミクロの世界まで見ると1つの点になる、そこに立ち返りたいという思いがあります。原子の周りを電子が回るミクロと、太陽の周りを惑星が回るマクロの構造は一緒だから、ミクロとマクロは一緒だという。じゃ、人間も絶対に同じ構造なんだと思えて、そうすると、ミクロとマクロはこんなに整然としているのに、なんで僕はこんなに欲望にかき回されて生きているんだろうって。僕の人生のテーマは「集合と拡散」なので。

ーーでは、植原さんが太陽だとしたら、周りを回っているものは何なんでしょう?

植原:それは、僕が愛情をあげる人たち。太陽って愛情だと思うんです。磁場にエネルギーがギュッと溜まってプンと噴出す炎があるじゃない。それが周りの惑星に愛情を与えているんだと思っていて、人間も同じようにギュッと詰まったエネルギーがないと人に愛情を与えられない。だから自分を成長させるとか、自分自身が幸せになろうという気持ちを持つことが大切だと思います。でも100%じゃなくていいの。80%とかで(笑)。

新津保:いい話になってきた(笑)。なぜ植原さんの作品がこんなに人気があるのか、その理由の一端を垣間みた感じです。なるほど、愛情かぁ。

ーー写真の話からクリエイションの真髄までお聞きできた気がします。ワークショップでも意外な話が飛び出しそうですね。楽しみにしています!ありがとうございました。


【Profile】
植原 亮輔(うえはら りょうすけ)
アートディレクター。北海道生まれ。DRAFTを経て、2012年渡邉良重と共にKIGI.Co.Ltdを設立。グラフィック、プロダクト、ブランドデザイン、映像等を手掛ける。2014年滋賀の職人たちと共にプロダクトブランドKIKOFを立ち上げるほか、2015年にオリジナルショップ&ギャラリーOUR FAVOURITE SHOP(東京・白金)をオープン、また作品を制作し美術館等で発表するなど、クリエイションの新しいあり方を探し活動を続ける。作品集『KIGI_M』をリトルモアより出版。ちなみに、お気に入りのカメラは新津保さんから教わったα7R(ソニー)+ライカのレンズ。
http://ki-gi.com/

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