「ファッションの歴史に足跡を」ヨシオクボデザイナー久保嘉男の哲学――後編【INTERVIEW】
FASHION HEADLINE / 2017年1月24日 20時0分
1月17日、ヨシオクボ(yoshiokubo)がミラノで2017-18年秋冬コレクションを発表した。ブランド設立13年目、長く東京コレクションを牽引してきた久保嘉男は、“世界的デザイナー”への道を着実に歩んでいる。ショーのフィナーレで彼に向けられた大きな拍手は、新たなステージの幕開けを意味していたことだろう。
常に人とは違う方法をとり、誰も見たことのない新しい服への追求を続ける久保。一貫してぶれることのない、彼の哲学とは何か。
前編「ビジネスとクリエーション、葛藤と戦いながら“継続”することでブランドは成長する」ヨシオクボデザイナー久保嘉男の哲学--はこちら
――湧き上がるような服作りに対する情熱が、久保さんを掻き立てているのだと感じます。服を作りたい、デザイナーになりたいと思ったのはいつからですか?
母が縫い子だったことが影響しているのかもしれませんが、小学校の頃にはファッションデザイナーになりたいと思っていました。初めてデザインをしたのは、小学校3年生。父に「自転車のロゴマークのデザインを応募するから、描いてみないか」と言われたんです。新聞か何かに載っていたのか、父も深く考えず提案したのだと思いますが、なんだかその記憶は深く残っていますね。
ただ母には「お前がファッションデザイナーなんて絶対無理」とよく言われていました。20歳を過ぎた頃に、ミュージックビデオなどを撮る映像作家を目指して渡米したのですが、もう一度改めて考えた時にやっぱりファッションデザイナーになりたいと思い、近くにあった学校に応募したら受かったので通うことにしたんです。
――卒業後はニューヨークのクチュールブランドでアシスタントデザイナーを4年経験されていますが、ヨシオクボで男らしい服を作る今の久保さんを考えると、“クチュール”というのはなんだか意外です。
正直、師であるロバート・デンスさんのことをよく知っていたわけではないんですが、遊びがてらニューヨークに行った時、ポートフォリオを持っていくつかのブランドに面接に行ったのがきっかけです。彼のアトリエに訪れた際、何気なくポンと一着クチュールドレスがかかっていたのを見て感激しました。ドレスに圧倒されて、絶対この人も元で働きたいと思い、その場で雇ってもらえることが決定しました。
最高級のクチュールの生地を扱っているので絶対にミスはできないし、裁断やパターン作りも全て我流でやる彼を見て、高度なテクニックを学べましたね。ミュラー オブ ヨシオクボ(muller of yoshiokubo)ではクチュールの高級生地を使ってどう料理するかをテーマにしていますし、クチュールの技術をディテールに取り入れることもあります。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
香港ファッションフェスティバル開幕まで2日 - 都市全体でファッション・文化・創造性を祝う祭典が幕開け
共同通信PRワイヤー / 2024年11月21日 9時38分
-
教養としてのハイブランド 第2回 100年前から尖りまくるBALENCIAGAの“変わった服”は何がすごいのか?
マイナビニュース / 2024年11月14日 12時0分
-
コシノミチコさん…母の墓石に刻まれた「人にもらうよりも人を喜ばせる方がずっといい」の教え
ハルメク365 / 2024年11月9日 21時0分
-
丸龍文人氏が手掛ける“FUMITO GANRYU”と初コラボレーション「PUMA x FUMITO GANRYU GV Special」を2024年11月2日(土)より発売
PR TIMES / 2024年10月28日 12時45分
-
「みんなと同じでいたいけど、違っていたい」『東大ファッション論集中講義』の著者が語るファッションの魅力
CREA WEB / 2024年10月26日 11時0分
ランキング
-
1農協へコネ入社の元プー太郎が高知山奥「道の駅」で年商5億…地元へのふるさと納税額を600万→8億にできた訳
プレジデントオンライン / 2024年11月23日 10時15分
-
2スシロー「パペットスンスン」コラボに言及「追加販売を検討」 発売当日に一部完売したグッズも
ORICON NEWS / 2024年11月22日 17時45分
-
3「無人餃子」閉店ラッシュの中、なぜスーパーの冷凍餃子は“復権”できたのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月20日 6時15分
-
4昨年上回る規模の経済対策、石破色は一体どこに?【播摩卓士の経済コラム】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月23日 14時0分
-
5ドーミーイン系4つ星ホテル「3300円朝食」に驚愕 コスパ最高、味も絶品!極上のモーニングがここに
東洋経済オンライン / 2024年11月23日 8時40分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください