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ウォールズ・ボナー、人種も性別も曖昧に。ラグジュアリーとアフリカンテイストを融合【2017-18秋冬コレクション】

FASHION HEADLINE / 2017年1月29日 20時0分

ウォールズ・ボナー2017-18年秋冬コレクション

ロンドン・メンズ・ファッションウィーク3日目の1月8日、ウォールズ・ボナー(Wales Bonner)がショーを開催した。デザイナーのグレース・ウォールズ・ボナーは2014年セントラル・セントマーチン芸術大学を卒業し、2015年に同ブランドをスタート。2016年にはLVMHヤングファッションデザイナー賞を受賞し、ファッション業界で最も高額な支援金約3,600万円を獲得した。彼女自身、多彩な人種の血を持ち、アフリカ系移民が多く暮らすロンドン郊外で生まれ育ったという背景から、ヨーロッパとアフリカのテイストをミックスしたハイブリッドなデザインを生み出す。

今季は、自身のルーツでもあるセネガルに訪れた際に目にした、現地の人々の暮らしやストリートスタイルからインスパイアされたコレクションを発表。ファーストルックを飾ったのはジャージー素材のトラックスーツ。頭には同素材で作られたターバンを巻き、都会的なアフリカンスタイルといった雰囲気を醸し出した。

上質なリネン素材にレースで装飾を施したドレス、テーラリングの美しい純白のスーツなどラグジュアリーなアイテムも多く見られたが、大きめのサイズ感やシワ加工、インナーをタックアウトさせるなどの方法でフォーマル過ぎずエフォートレスな印象だ。彼女のシグネチャーになりつつあるベルヴェット素材のスーツには、ハンドクラフトでマサイのビーズやクリスタルで輝きを添えた。

ショーにはドレスを着た男性、スーツ姿の女性が登場し、性別も人種も曖昧に、独自のカラーを呈示した。多人種であるが故にどこにも属さない“アウトサイダー”のような感覚が常にあり、自身のアイデンティティの探求はまだ続いているという。しかし、その無二のカラーやマインドはブランドとして大きな強みとなる。わずか5シーズン目にして完成度の高いコレクションを発表したが、彼女自身のアイデンティティの確立とともにブランドがどのように成長していくのか、楽しみだ。

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