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たぬきモチーフの熊本の郷土玩具「彦一こま」がモダンに変身【九州のクリエイターたち:05】

FASHION HEADLINE / 2017年3月28日 21時0分

「彦一こま」二代目・井芹眞彦さん

三越伊勢丹とビームス(BEAMS)がタッグを組み日本各地の魅力を再発見するプロジェクトイベント「STAND九州」が、3月29日より伊勢丹新宿店本館1階=ザ・ステージとビームス ジャパン1階でスタートする。

FASHION HEADLINEでは、同イベントに参加をする九州のクリエイターたちにスポットをあて取材を行った。

■彦一こま「大胆なアレンジで進化」

熊本県八代郡。木屑の匂い漂う工房で出合ったのは、思わず笑みがこぼれる愛らしいタヌキの木工人形。飾って可愛いだけでなく、実は、頭・胴体・尻尾・笠・土台が分解でき、それぞれがコマになって遊べるようになっているユニークな郷土玩具だ。


彦一こま

「九州の民話『彦一とんち話』に登場するタヌキがモデルなんですよ。私の父が趣味で野菜の手回しこまを作っていたのがはじまりです」と話すのは、二代目の作り手、井芹眞彦さん。サラリーマンだった30代の時に、彦一こまの継承者になって40年。現在、74歳とは思えないほどパワフルに、彦一こまの製作に励んでいる。


井芹眞彦さん

それぞれのパーツを機械でカットしていく

「木肌が細やかで削りやすい桜の木を使って、それぞれのパーツを機械でカットしていきます。手が覚えていますから、勝手に動くんですよ」。作る過程の中で、だんだん「こういう道具があれば作りやすくなるかも」と、削りや塗りの段階で必要な機械を自作でアレンジして作ってしまうほどの器用さも持ち合わせる。代表作の「彦一こま」は昭和54年に熊本県伝統工芸品に指定。他にも「おてもやん」や氷川町の伝説をモチーフにした「ハッダンカメ」、「くまモン」などのシリーズがある。




「時々、小学生に絵付けを教えたりしているんですよ。ものづくりは、根気のいる仕事ですが、子どもたちには自分で発想して、自分でものをつくることができるようになってほしいと思いながら、教えています。サラリーマンを辞めてから、第二の人生を謳歌していますね」と、生き生きとした瞳で話してくれた。

今回、篠本氏による斬新な発想で誕生した彦一こまは、タヌキをデフォルメしたモダンな作品に変身。穴の開いたコマとコマを使い手が自由にはめ込んでいき、かたちづくって遊べる構造になっている。もちろん、コマとしての機能も。






「びっくりしましたね。いろんな形に組み合わせられますし、発想が柔軟だと感心しました。製作自体は難しくはなかったですが、私自身、新しい作品づくりへの刺激を受けました」と笑顔を見せる井芹さん。既存に新たな感覚が加えられ、進化した彦一こまは、オブジェとしてインテリアにも映えそうな一品。作り手を唸らせ、意欲をも掻き立てるアレンジアイテムとなった。ぜひ、店頭で触れてみて欲しい。

【イベント情報】
「STAND九州」
■伊勢丹新宿店
会期:3月29日~4月4日
場所:伊勢丹新宿店本館1階=ザ・ステージ
時間:10時30分~20時

■ビームス ジャパン
会期:3月29日~4月11日
場所:ビームス ジャパン1階
時間:11時~20時

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